少額で短期の保険「ミニ保険」
賃貸入居者向けにもたくさんある「ミニ保険」
損害保険会社や生命保険会社が取り扱う保険のほか、わが国には「ミニ保険」と呼ばれる保険ジャンルがあります。正しくは「少額短期保険」と呼ばれるもので、2006年4月に行われた保険業法改正によって新設された、比較的新しい制度です。
少額短期保険が「ミニ保険」と呼ばれるのは、一定事業規模までの範囲内で、少額かつ短期の保険引き受けを行うことからきています。補償(保障)がミニサイズである結果として、掛金が手軽な金額になることはありますが、それは同様の補償内容で保険料が割安になることを意味するのではありません。
取り扱われる商品の保険期間は1年、損害保険に関しては2年以内に限られています。保険金額についても死亡保険は原則300万円以下、医療保険については日額×通算限度日数について80万円以下で、家財などの損害保険については、1000万円以下がルールです。賃貸入居者向けの家財保険の「ミニ保険」も多数
少額短期保険業者として業務を行うにあたっては、財務局に登録しなければならず、登録事業者はすでに70事業者にも。取り扱われている商品の補償内容は各社で異なり、生命保険や医療保険、ペット保険や家財保険など生損保をまたがり、多岐にわたります。商品によっては、糖尿病患者や障害者に対する保険など、これまでの保険会社が取り扱わない個性的なものもあります。ただ補償が小さめなことを考慮すると、貯蓄とどちらが合理的な備えとなるか、事前に検証することがかかせません。目新しいものだからと飛びつくのではなく、まずは支払う保険料と受け取れる保険金のバランスを確かめることが大切です。
一方で、従来の損保会社が取り扱うのとほぼ同様の商品も。賃貸入居者向けの家財、個人賠償責任をセットした、すなわち火災保険がそれです。登録業者も70社中30社と多数(2012年1月現在)。では、これらの保険商品は、従来からある損害保険会社の取り扱う火災保険とどう異なるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
次は、損害保険会社の火災保険とミニ保険の補償内容の比較です。