made in Germanyの元気さが目立つ年に
日本における12年の輸入車シーンで、キーとなるモデルを3つ挙げておくとすればそれは、VW up!/BMW 3シリーズ/ポルシェ911になるだろう。頼みの綱はいずれもドイツ勢、というのは、EU危機の縮図のようで不気味だが、とにかく12年もまた、made in Germanyの元気さだけが目立つ年になるのは間違いない。しかも、それは、“ファンダメンタルな強さ”に基づいている。飛び道具で勝つ、のではなく、昔からある基本の武器で勝利を手にしそうなのだから、侮れない。上に挙げた3モデルは、いずれもその昔からドイツ勢が得意としてきた分野の最新モデルばかり。結局のところ、マーケットがワールドワイドになって、グローバルが合言葉になればなるほど、商品の個性というか産地に根ざした特殊性が好まれることになるのだと思う。特に、プレミアムな商品ではそうだ。ローカルを洗練させてこそのグローバル。根無し草では、世界に理解されないし、存在理由だって見つからない……。原点回帰、である。
もちろん、コンサバ路線だけじゃない。幹を太くしつつ、枝をたくさん作って、繁み豊かな森とするのが、自動車メーカーの戦略だ。M・ベンツはBクラスで再び若年ファミリー層へチャレンジするし、アウディのA1スポーツバックやQ3もコンパクトカー界に新たな風を送り込むことだろう。