医療保険/医療保険関連情報

介護医療保険料控除の創設で保険加入はどう変わる?

介護医療保険料控除が創設されて2012年1月以降支払う医療保険やがん保険、介護保険などの保険料を対象商品として介護医療保険料控除が適用されます。これによって今後医療保険やがん保険、生命保険の見直しなどはどう変わっていくのかを解説します。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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介護医療保険料控除と保険加入

介護医療保険料控除と保険加入

介護医療保険料控除が2012年1月以降に契約して支払う医療保険やがん保険、介護保険などの保険料を対象商品として適用されます。

今後、医療保険やがん保険などに新たに加入した場合には、生命保険料控除ではなく介護医療保険料控除の対象となります。また控除される金額も2011年12月31日までの契約と2012年1月以降の契約では異なります。

そこで今回は介護医療保険料控除の導入における生命保険や医療保険等の見直しや加入の仕方がどう変わっていくのかをお話したいと思います。

介護保険料控除創設で保険料控除は何が変わったのか

介護医療保険料控除が創設されたことにより、保険料控除はどう変わったのでしょうか。

簡単に説明しますと、各保険料控除(生命保険料控除、個人年金保険料控除)ごとの限度額は下がっています。しかし介護医療保険料控除ができたことにより、保険料控除の数が増えました。この3つの控除をフルに使える場合、全体では保険料控除額は多くなります。

基本的な内容については、「生命保険料控除改正、介護医療保険料控除と確定申告」に詳細を記載してありますのでご覧ください。

生命保険や個人年金保険、医療保険など多くの種類の保険に加入している人ほど保険料控除を受ける額が増え、反対に医療保険だけしか加入していないなどの場合であれば、保険料控除額が下がってしまうケースがあるということです。

現在保険契約が全くない場合、保険料控除はどうなるか

現在、生命保険、個人年金保険、医療保険、がん保険、介護保険などの保険に全く加入していない場合には、2012年1月以降の新しい保険料控除の制度が適用になります。これから社会人になって保険に始めて加入する人、これまで生命保険等にまったく加入していない人などですね。

この場合、3つの控除ともそれぞれ、年間保険料が8万円を超えていれば(毎月の保険料で考えると6,667円/月以上の保険料の計算)所得税で最高4万円が控除されます。介護医療保険料控除、生命保険料控除、個人年金保険料控除をフルに利用できれば12万円控除することができます。

介護医療保険料控除、既存の保険契約がある場合

生命保険文化センターの平成22年度の調査によると生命保険の加入率は男性79%、女性が79.5%です。一時は90%を超えていた生命保険の加入率もだいぶ下がりましたが、80%近い人が加入している現状を考えると現在何らかの保険に加入している人が多いでしょう。

今後の加入については現在どんな保険に保険料をいくら支払っているかによって状況は変わってきます。以下、具体的な例をいくつか見てみましょう(現在の契約はすべて2011年12月までに契約、見直し後は2012年1月以降に契約されているものとします)。

■例1
【現状】
(加入内容)医療保険に毎月7,000円、生命保険に毎月10,000円の保険料
(生命保険料控除)生命保険料控除のみ所得税が5万円控除
【見直し後】
(加入内容)医療保険を見直し新たな保険に切替(保険料7,500円)、生命保険は現状のまま
(生命保険料控除)生命保険料控除が所得税5万円控除、介護医療保険料控除所得税4万円控除 合計9万円控除

■例2 
【現状】
(加入内容)医療保険に毎月7,000円の保険料
(生命保険料控除)生命保険料控除のみ所得税が4万6000円控除
【見直し後】
(加入内容)医療保険を見直して新たな保険に切替(保険料7,500円)
(生命保険料控除)介護医療保険料控除のみ所得税が4万円控除

例1では保険料控除額が増えましたが、例2では逆に保険料控除額が減ってしまいました。このように既存の保険契約がある場合には個々のケースによって保険料控除額が変わってきます。

介護医療保険料控除の新設に伴う保険加入のポイント、注意点

今回の記事では介護医療保険料控除にスポットを当てていますが、実際には保険の加入目的や商品内容、保障内容等総合的に考えて保険の見直しを行います。保険料控除はあくまで一つの要素であることを忘れないでください。これがすべてではありません。

しかし保険料が安くなるからと勧誘され、現在加入している保険よりも安くなったと喜んでも保険料控除も含めて全体を見た場合に得になっていないかもしれません。

総合的に判断するために専門家の意見も聞いてみてください。一般の人があれこれ計算するのは難しいと思いますので、こうしたことがあることを頭に入れておいて保険の見直しをする際に聞いてみるようにしてください。

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