スポーツカーとしての資質を充分に備えたクーペ
先述した2LターボのFF車と3.2Lの4WD車に続き、2008年9月には2Lターボ車に4WD車と、72psアップのハイパワーバージョンであるTTSが追加されました。さらに2009年8月には3.2L車がラインナップから外れ、2010年2月には2.5LターボのRSが加わります。アウディクオリティと呼びたいほど、高品質なインテリア。センターコンソールはドライバー側に少しだけ向いていて、コーナリング時にはヒザを当ててドライブすることができます。丸ではなく下が平らな小径ステアリングにはナッパレザーが用いられています
半額以下で狙えるのは、やはりデビュー当時の2モデル。2Lターボエンジンは当時のVWゴルフGTI(旧型)と、3.2Lエンジンはやはり当時のゴルフR32(絶版)に搭載されたものと同じもの。それぞれツインクラッチのMTであるSトロニック(VWのDSGと中身は同じ)が組み合わされました。
……と、まるでゴルフのアウディ版クーペみたいに聞こえるかも知れませんが、もちろんさにあらず。そもそもボディが凝っていて、アルミとスチールが併用されて、軽量化とともも剛性アップを果たしたボディです。ちなみに全部スチールで作ったらボディ重量が48%も増加すると言います。それだけ軽いということは、走りに好影響を与えるということでもあります。
前席は旧型と比べてさらに低い位置に配置され、よりスポーティ感の高いものに。スポーツタイプのシートは左右が大きく張り出すなど、スポーツ走行はもちろん、長距離走行でも快適に過ごせるようなシートが用意されています
さらにオプションで「アウディマグネティックライド」が設定されました。これはショックアブソーバーに普通のオイルを使うのではなく、自生流体を使うことでスポーツ走行と通常走行それぞれに最適な足回りの設定を自由に選べるようにしたものです。
またステアリングの径は小さく、当時のRS4と同様に下部分がフラットのタイプだったり、そのステアリングにはレーシングカーのようなパドルシフトが備わり、さらにリアスポイラーが120km/hに達すると立ち上がってリアのダウンフォースを向上させるなど、そこかしこにスポーツカーテイストが満載。
ですから「その気」になって峠なんかを攻めると、とても楽しい一台です。またその気にならなくても、外も内側もスポーツマインドたっぷりのコンパクトなカッコイイクーペで、しかも今や大人気のアウディの現行型ですから、運転席に座っていて「あーいい車を買ったなぁ」なんて満足感が味わえます。
そもそもクーペって、そういう(ある意味)無駄な贅沢感があるからこそ、存在意義があるのだと思います。実用性を考えればミニバンやセダンを買ったほうがいいわけですから。でも一点くらい贅沢な無駄がないと、息がつまると思いませんか。その意味でも現行型アウディTTは価値があると思うし、それを新車時の半額以下で買うというのは、賢い選択だと思います。
このように、しっかり調べてみればお買い得な車種は意外とあるものです。あなたも一度、探してみてはいかがでしょう。
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