妊娠の基礎知識/竹内正人先生の妊娠・出産お悩み相談

妊娠中「無理しない程度」って?

「妊娠中は無理をしないで」とよく言われるけれど、無理しないってどの程度? 仕事や家事、スポーツはどのくらいだったらやってもいいの?という相談ですが、これは個人差が多いため、一般的な基準はありません。自分の体と相談しながら、様子を見ながらやってみましょう。

竹内 正人

執筆者:竹内 正人

妊娠・出産ガイド

妊娠中「無理しない程度」って?

妊娠中「無理しない程度」って?

Q:
竹内先生、こんにちは。妊娠24週(7ヶ月)の会社員です。先生にいろいろお聞きしたいことがあるのですが、答えていただけるとうれしいです。

今悩んでいるのが、以下です。アドバイスをお願いします!
  • 眠りが浅くて、すぐ目を覚ましてしまうこと。
  • 家事、スポーツなど、どのくらいまで大丈夫なのかということ。無理しないっていうのが、どの程度なのかがよくわかりません。
  • 夕方になるとお腹の張りが。座ったままの仕事なので、もう少し頑張っても大丈夫でしょうか?

妊娠により体と心に大きな変化が起こっている

A:
まず夜にすぐ目を覚ましてしまうことですが、妊娠24週(7ヶ月)になると、子宮が赤ちゃんの頭くらいの大きさになってくるので、子宮の前にある膀胱は少し大きくなるだけで尿意を感じ、夜間に何回かトイレに起きることもでてくるでしょう。ただ、あなたの場合は眠りが浅いようなので、子宮が大きくなったことだけがその原因ではなさそうですね。妊娠性のホルモンが、直接眠りを浅くするということはないと思いますが、妊娠により体と心に大きな変化が起こってくることは関係しているでしょう。一般に、体の温度が下がってくるときに眠気をきたすようになるので、睡眠前に軽くストレッチをしたりお風呂につかってリラックスしたりするのはいい方法です。

逆に、夜に仕事などで頭を使いすぎると、脳が興奮し、なかなか寝つけないですし、眠りが浅くなる原因になります。また不安や、ストレスなどを抱えていると、眠りにも影響してくるので、あなたが感じていることは常日頃から、パートナーや友人に話すようにしてください。
 

仕事や家事や、スポーツなど、どこまでが可能かは自分の体と相談して

次に、仕事や家事や、スポーツなど、どこまでが可能かですが、これは一般的な基準はありません。個人差が大きいですし、ここまで無理をしたら早産になるということもないのです。結局はあなたの体と相談してとなってしまうのですが、それだと答えになりませんね(笑)。あなたはこれまで仕事もスポーツもバリバリとやってきて、もしかすると、妊娠して少しセーブしてみたものの、何かもの足りないと感じているのかもしれませんね。そうであれば、そんな満たされない感が、夜も眠れないことと関係している可能性もあります。

僕は、妊娠経過さえよければ、まだ妊娠24週ですから、積極的に仕事や体を動かしていいと思います。とりあえず、自分の思うようにやってみてください。それで体と心の調子がよくなれば、あなたには適切ということです。もし、負担で体がきつかったり、お腹が張る頻度が増えたり、意欲が低下してくるときは、無理をしているということなので、改めてセーブしてみればいいと思います。

家事の程度も同じことです。ただし、仕事やスポーツは意欲的だけど、家事はあまり乗り気になれないということもあるでしょう。そんな時は、妊娠をうまく言い訳につかってパートナーに手伝ってもらってもいいんじゃないですか。それでも、仕事やスポーツはできるけど、家事はちょっと…が極端になると、パートナーも疑問に思うかもしれないので、ある程度のところで折り合いをつけるか、そのままの気持を相手に伝えて、相手の反応をうかがってもいいかもしれませんね。そんな風にしながら無理の手前の自分の適度を知り、相手との関係性もつくってゆく。よくないですか?
 

張りは休むと治まるようであれば、あまり心配しなくていい

最後に、夕方に張りがあるとのことですが、24週ですから生理的な張りもでてくる時期です。体調が悪いわけでなく、しばらくすると張りが治まるようであれば、心配しなくていいでしょう。座ったままの仕事だと負担が少ないように思うかもしれませんが、眼精疲労から張りがきたり、長い時間同じ姿勢でいることで、子宮が周囲の血管や神経を圧迫して張りや腰痛の原因になることがよくあるので、時々、目を休めたり、時々屈伸運動や体操をして姿勢を変えながら、あなたが大丈夫そうであれば仕事を続けていいでしょう。ただし、お腹に赤ちゃんがいることは忘れないこと。バリバリはいいけれど、やはり無理は禁物なのです。また、昼間に赤ちゃんのことを考えられなかった時は、帰宅後にお風呂や寝る前に5分でもいいから、お腹に手をあてて赤ちゃんに話しかけてみるようにしてくださいね。きっと、大丈夫です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※妊娠中の症状には個人差があります。記事内容は執筆者個人の見解によるものであり、全ての方への有効性を保証するものではありません。体の不調を感じた場合は、適切な医療機関での受診をおすすめいたします。当サイトで提供する情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、各ガイド、その他当社と契約した情報提供者は一切の責任を負いかねます。

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