子育てしやすいのは一戸建て、マンションなら低層階
子どもを持つ予定のあるふたり家族に向く住形態のキーワードも「子育て」です。安心して子育てできる住まいが何より優先されます。典型的なのは、東京を例にあげるとファミリー層が多く住む世田谷、杉並、武蔵野、国立などの住宅地に建つ一戸建てといえるでしょう。子どもは室内でも飛んだり跳ねたり活発に動き回ります。マンションに住んでいるからといって、下の階に音が響くから静かにしなさい!というのは子どもにとっては、酷なことです。お母さんのなかにはそれがもとでノイローゼになる人もいます。そこで予算が許せば一戸建てを選択する人も出てくるのです。ただし、こうした住まいは郊外に多く見られ、フルタイムで働く妻の通勤が多少犠牲になることもあります。より都心に近くて、一戸建てに似た住み心地の小規模低層マンションの専用庭付きの1階も、子育て層に好まれている住まいです。ただし、こうしたマンションは閑静な一戸建てが多い第一種住居専用地域というところに建つケースが多く、駅からの徒歩時間は10分を超えることもあります。
大規模タワーマンションが共働きの子育て家族に人気の理由
マンション内に子育て施設が充実しているタワーマンションが人気。
タワーマンションの高層階は子育てには向かないとよく言われますが、低層階を選べば問題はないでしょう。元気なお子さんのいる家族があえてマンション生活を選ぶ場合、飛び跳ねる音が下の階に聞こえることを前提に、日頃からお互い顔の見えるコミュニケーションで、多少のことは気にせず暮らせるような関係をつくることが必要です。
子育て向けニュータウンは1970年代から1990年代までは郊外に、一戸建てを中心に開発されてきましたが、2000年以降は都心湾岸にタワー型マンションを中心に開発の軸足が移りました。今後もまだまだこうした傾向が続くでしょう。
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