子育てリフォームは、キッチンから広範囲が見渡せる間取りに
子育て中は「ながら家事」が基本。子どもを見ながら料理、抱き上げながら洗濯、洗濯物を干している間も気が抜けません。この「ながら家事」をスムーズにできるようにするためのポイントは2つ。1つめは、キッチンからできるだけ広範囲が見渡せる間取りにしておくことです。普段の立ち位置からできるだけ広範囲を見渡せるリビングキッチンなら、安心して子どもを見ながら家事ができる。
キッチンに立っている時間は意外と長いもの。その間も子どもから目を離さず居られるようなキッチンの向きを考えましょう。おすすめは、対面式のリビングキッチンにリフォームをしておくことです。対面式のリビングキッチンとは、キッチンをリビングに向けて設置、キッチン~食堂~リビングを一体化させたオープンなスタイルのこと。子育て世代に人気の間取りです。
リフォームプランを立てる際のポイントは、キッチンから全ての部屋を、ひとめで見渡せるようにしておくことです。間仕切り壁がジャマなら室内窓を取り付けたり、引き戸で仕切ったりして、普段の立ち位置からできるだけ広範囲を見渡せるように工夫しましょう。キッチンからの視野が広いほど、安心して子どもを見ながらの家事ができるようになります。
キッチンを軸として全ての移動距離を最短にリフォームの計画を立てる
子育てリフォーム2つめのポイントは、家事がラクな間取りにしておくことです。例えば、キッチンのそばに洗濯機やアイロン掛けができるユーティリティスペースがあれば、料理をしながらサッと洗濯ができます。そしてそこからすぐに物干し場に出ることができれば、洗濯物を干すもの取り込むのもラクにできます。キッチンの家事コーナーから洗面所までのリフォーム後の様子。マンションの間取り実物大展示。 (リフォームのビフォーアフター実物大展示!みどころより)
上の写真は、リビングを全て見渡せる対面キッチン~洗濯機を置いたユーティリティ兼用の洗面所までを1歩でつなぎ、またベランダの物干し場までもリビングを見ながら移動できるよう計画した、マンションリフォームの間取り事例です。
滞在時間が長いキッチンを軸として、他の家事もその周辺で終わるように計画しておくと、安心して子供を見ながら家事ができるのはもちろん、家事時間を大幅に短縮できるようになります。
漂白剤にも強い床材にリフォームしておけば消毒ができる
子育てリフォームでは、床壁選びにも気を配りましょう。子どもたちが汚した床や壁材は、いつも清潔にしておきたいもの。フローリングは表面加工の性能により、メンテナンスのしやすさが変わりますので、よく確認して選びましょう。水、尿、洗剤、漂白剤に強いタイプなら、嘔吐やおもらし後にもサッと素早く清掃消毒ができます。アンモニア、尿、酸性や強アルカリ性の洗剤、漂白剤にも耐えられるフローリング材。トイレにも使える(エコメッセージSパートナーワン/永大産業)
壁紙は、子どもたちが落書きをしたり破ったり。ある程度大きくなってから再度張り替えるケースも多いので、小さなうちはデザインより機能、汚れの拭き取りがしやすいタイプを選んでおきましょう。健康的に暮らしたいなら、漆喰などの自然素材の塗り壁もおすすめ。調湿機能に優れ、室内の湿度をコントロールし、結露がし難く、カビを防ぐ機能があります。
子育て中のママの居心地もよく考えてリフォームを
子育て中は子どもの環境ばかりに注目しがちですが、ママの居心地をよくしておくことも大切です。特に注意しておきたいのが、家事をこなす軸となるキッチンの居心地です。冬の朝、寒くてお弁当作りが厳しい、夏、暑くて子どもたちが大好きなから揚げを作る気力がわかないと言うようでは、毎日が辛いものになってしまいます。キッチン環境を改善するポイントは、冬の寒さ対策、夏の暑さ対策をシッカリ考えておくことです。
床暖房は意外と手軽なリフォームでできる。床の張替え時がチャンス(Youほっと/パナソニック)
冬の寒さ対策には床暖房がお勧めです。床のリフォームの時に一緒にやれば工事は意外と簡単。タイマー付きなら、朝起きる時間に合わせてキッチンの床を暖めておけるので、冬の朝も快適にお弁当作りができます。
夏の暑さ対策は、エアコンの位置の見直しで改善されることが多いのですが、風通しにも配慮をしましょう。勝手口がある場合は、通風タイプに交換すれば風通しのいい明るいキッチンになります。
子どもの成長に合わせて、間取りも進化させるリフォームを
子どもはあっという間に大きくなり、生活スタイルはどんどん変わります。子どもたちの成長に合わせて、間取りもリフォームの工夫で進化させましょう。例えば最初は小さな子どもたちがのびのび遊べるようにリビングは広めに、ある程度大きくなったら一角にスタディスペースを作る、もっと大きくなったら今度はママの書斎にするなど、家族と一緒に家も成長させましょう。キッチン脇に作ったスタディスペース。大きくなったら家族みんなのパソコンスペースにしても(LIXIL)
可動タイプの間仕切り家具を使えば、よりフレキシブルな間取りになります。下の写真は、ストッパーを外すと、中身が入ったまま軽く押すだけで移動できる家具です。大がかりなリフォームをしないでも、子どもの成長にあわせて簡単に間取りを変えることができます。
ストッパーを外せば簡単に移動できる間仕切り家具。成長に合わせて間取りが変えられる(可動間仕切収納ce-fit/アクシス)
スタディスペースの作り方は下記で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧下さい。 子育て中は散らかりがちなリビングも悩みも種です。片付くリビングにするプチ~大技まで収納リフォームのアイデアと、片付けのルールは下記でご紹介しています。 【関連記事】
Copyright(c)2017 一級建築士事務所 Office Yuu,All rights reserved.