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混浴デビューする宿 青森県八甲田山「酸ヶ湯温泉」(3ページ目)

概して秘湯は混浴であることが多い。「憧れの温泉なんだけど混浴なんだよね・・・。」という混浴デビューを済ませていない乙女におすすめの宿が、青森県八甲田山の酸ヶ湯温泉。気持よく混浴が楽しめるような心遣いや、秘密兵器が用意されていますのでご安心を。きっと秘湯の虜になってしまうことでしょう。

山田 祐子

執筆者:山田 祐子

旅館ガイド

ルートが肝心

酸ヶ湯

内部はこんな感じ

浴室内は撮影が厳禁で写真をお見せできませんから、少し詳しく解説しましょう。内部の造りは右の図面を参考にしてくださいね。
浴室の戸を引くと、目隠し用の木の板壁が張られた階段がありますので、降りていきましょう。壁にある小窓から中の様子を見てみてください。「うん? 何も見えない?」。そうです。浴室の中は湯気でムンムン。特に冬はたくさんの湯気で視界が悪い。少し安心しましたか? 足元に気をつけながら勇気を振り絞って進みましょう。

先ずは「冷の湯」でしっかりとかけ湯をしてください。冷といっても冷たいわけではありません。階段下には「熱の湯」に続く道があるのですが、このルートだと、全身を男性陣にお披露目する可能性があります。

デビューなら冷の湯の先にある「四分六分の湯」から入るルートをとりましょう。このルートなら、脱衣場からの動線上に木の板壁が続いているので、一切肌を露わにすることなく浴槽に直行し、スルッと肩まで湯に浸かれます。湯の色も白濁しているから安心です。

「四分六分の湯」という名は体に温もりが残る具合を表していて、最初は熱いと感じますが、熱の湯よりも温かさが持続しないそうです。いきなり浸かれる温度でありませんから十分なかけ湯をしてくださいね。

ここまできたら大丈夫。浴槽の淵の中央には男側女側と書かれた印が立てられています。硫黄成分たっぷりの湯を思う存分楽しみましょう。酸ヶ湯(すかゆ)は鹿が見つけたので鹿湯(しかゆ)が語源とされていますが、字の通り少し舐めてみると酸っぱい酸性泉。余分は角質を落としてくれるので、お肌もツルツルになりますよ。 

 

乙女の秘密兵器

酸ヶ湯

これを着ればコワクない

無事にデビューを果たした後は、もう一つの浴槽「熱の湯」に入るという難関が待っています。これには一度浴槽を出て、全身を露わにしなければなりません。「入りたいけど、入れない……」。そんな時の秘密兵器をご紹介しましょう! 女性専用の温泉着「湯浴み着」(1000円)です。フロント前の売店で販売されていますから、無理なく湯浴みを楽しんでくださいね。

「それも無理……」。そんな乙女に朗報です。午前と午後の8時~9時は女性専用タイム。先ずは四分六分の湯で混浴デビューして、翌朝は熱の湯で大の字に。そんな楽しみ方もできるかもしれません。

冷え性に効く温泉

酸ヶ湯

父と母の間に生まれた息子

酸ヶ湯には大浴場の「千人風呂」、男女別の内湯「玉の湯」がありますが、その他に「まんじゅうふかしの湯」が宿から歩いて7分程のところにあります。

「ああ、温泉まんじゅうね」って違います。温泉蒸気が中を流れる木箱に腰をかけ、お尻から体の内部まで温める温浴法で、子宝の湯とも呼ばれています。体を内側から温めることができるので、冷え性の方は是非おすすめです。

フロント前の売店には「こだから飴」なるものが売られています。気になる方はお一つどうぞ。ちょっとビックリしてしまう様相ではありますが、これも大切な東北文化のひとつです。

次のページでは夕食を!

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