こんな「絵本のガイドブック」を待っていた
ガイドは、「小さい頃から、お母さんのお膝で絵本を楽しもう!」という「ひざ読(ひざどく)」を提唱しています。「ひざ読」の目的は、親子が一緒に絵本を楽しむ中で、絵本を通じて赤ちゃんとお母さんが幸せな時間を共有することにあります。その「ひざ読」の考え方を後押ししてくれるような心強い本が刊行されました。それが、本の探偵・赤木かん子さんと子どもの読書サポート・アシード代表理事・加藤美穂子さんの共著『赤ちゃんが大好きな絵本』です。
ママの気持ちに寄り添った温かな絵本案内
優しいミント・グリーンの表紙が目をひく、『赤ちゃんが大好きな絵本』は、次の5つのパートから構成されています。
- Part 1 0歳の赤ちゃん、はじめての絵本
- Part 2 絵本にきょうみを、もちはじめたら
- Part 3 絵本のストーリーが、わかってきたら
- Part 4 妊娠中に、読みたい絵本
- Part 5 子どもによい本って、どんな本?
赤ちゃんへの読み聞かせでは、年齢や月齢の目安にとらわれて、徒に焦りを感じる必要は全くありません。絵本を通じてお母さんが感じる「赤ちゃんの小さな成長」を大事にしながら読み聞かせを進めればよいのです。その点で、節目となる成長過程が明示されているのは助かりますね。
また、紹介される絵本の数にだけ目を奪われてはいけません。ひとつひとつの作品に評論を加えるだけでなく、赤ちゃんの反応や読み手の気持ちなどにも触れながら、絵本を紹介していく方法が大変わかりやすく、読みやすさ抜群です。しかも、筆者の小さな読者に向けるまなざしが、お母さんのように優しいので、読み進めるうちに、自ずと紹介されている作品への信頼が高まっていきます。
赤ちゃんが生まれる前から絵本を楽しむ
Part 4では、忙しい子育てが始まるその前に、少しだけ絵本の知識を仕入れておこうという趣旨で、妊婦さんのために10冊の絵本が紹介されています。大人も楽しめる愉快な絵本は、プレママ用ということですが、子育て中の先輩ママさんにもぜひ読んでいただきたいパートです。わが子が生まれくる日を待ち望んだあの幸福な日々を思い出させてくれますよ。Part 5では、絵本を読むコツや大人と子どもの絵本の楽しみ方の違いなどにも言及しており、実際に読み聞かせをしている方へのアドバイスも充実しています。この本なら、絵本と付き合うのは初めてというお母さんでも、妊娠中からお子さんが一人読みを始めるまで、頼れるガイドブックとして役立てていただけるはずです。
どうぞ本書を参考に、毎日わずかでも、赤ちゃんと一緒に絵本を楽しむ時間を持ってみてください。絵本通して、赤ちゃんとお母さんの間に温かな気持ちの交流が起こることに驚かれることでしょう。
【書籍DATA】
赤木かん子 加藤美穂子
価格:1200円
発売日:2011/10/5
出版社:河出書房新社
推奨年齢:大人用
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