今、悩んでいる症状は?
医師が病気を診断するときに最も重視するのが、患者さんの話です
睡眠障害には、大きく分けて次の4つのカテゴリーがあります。
- よく眠れない=不眠症
- 日中の眠気がひどい=過眠症
- 睡眠の時間帯がずれている=概日リズム障害あるいは睡眠覚醒リズム障害
- 睡眠中の異常な現象=睡眠時随伴症
不眠症には、次のような4つの症状があります。
- 寝床についてもなかなか眠れない=入眠障害
- 夜中に目を覚ましてしまう=中途覚醒
- 希望する時刻よりも大幅に早く目が覚めてしまう=早朝覚醒
- グッスリ眠った気がしない=熟睡障害
眠れなくなったきっかけや思い当たる原因、以前の睡眠時間、睡眠中にトイレへ行く回数、自宅とホテルなど自宅以外で眠りに違いがあるどうか、イビキや睡眠中の不規則な呼吸の有無、気持ちの落ち込み、脚の異常な感覚や意識的でない脚の動きなどもチェックしておいてください。
過眠症などでのチェックポイント
ひどい眠気の原因が、不眠症のことはよくあります
概日リズム障害には、次の6つの種類があります。
- 極端な早寝早起き=睡眠相前進症候群
- 極端な夜更かしで朝寝坊=睡眠相後退症候群
- 就寝と起床の時刻が1時間ずつ遅くなる=非24時間睡眠覚醒症候群
- 睡眠と覚醒の時間がバラバラ=不規則型睡眠覚醒パターン
- 交代性勤務や夜勤からくる睡眠障害=交代勤務性障害
- 時差ボケ=時差障害
睡眠時随伴症では、眠っている間にどんなことが起こるのか、記録しておいてください。本人よりも、ベッドパートナーや家族のほうがよく分かっていることがあります。その人たちにも、詳しく聞いておきましょう。
睡眠中の異常現象としては、大きなイビキや不規則な呼吸、あえぎ声、叫び声、大声、寝言、歩き回る、物を壊す、何かを食べる、悪夢、金縛り、おねしょ、目覚めた後にあばれる、などがあります。
睡眠日誌をつけましょう
睡眠日誌を書くと、自分の睡眠を客観的に見直すことができます
睡眠日誌には、最近2~3週間の睡眠状態を記録してください。記録する項目は、寝床についた時刻や実際に寝ついた時刻、夜中に目覚めた時刻と再び寝入った時刻、朝に目覚めた時刻、実施に寝床を出た時刻、目覚めた時の気分、日中に眠っていた時間、睡眠薬などを飲んだ時刻などです。実際に寝ついた時刻はよく分からないことが多いので、おおよその時刻で結構です。
時刻を記録するだけでも良いですが、横長の帯グラフにして記録すると、見やすくなります。インターネットで「睡眠日誌」で検索すると、書きやすいものをダウンロードすることもできます。
これまでの病気や飲んでいる薬
飲酒の量や回数を、訊かれるかも知れません
睡眠障害を起こす体の病気として、痛みやかゆみを伴う病気、高血圧、心不全、糖尿病、肥満、気管支ぜんそく、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、更年期障害などがあります。脳血管障害、認知症、脳腫瘍、頭部外傷なども、睡眠障害を起こすことが知られています。心の病気であるうつ病や躁うつ病、不安障害、パニック障害、心的外傷後、ストレス症候群(PTSD)統合失調症も睡眠障害を起こすことがあります。
医療機関で処方されている薬も、注意が必要です。睡眠障害をもたらす薬として、パーキンソン病の治療薬や降圧薬、高脂血症の治療薬、抗ヒスタミン薬、副腎皮質ステロイド、気管支ぜんそくの気管支拡張薬、抗てんかん薬、インターフェロン、インフルエンザ治療薬、禁煙補助薬、麻黄を含む漢方薬などが知られています。
家族に同じような睡眠障害があるかどうかも、聞いておいてください。家族に同じ症状があるからと言って、すべてが遺伝性の病気だというわけでもありません。同じような生活の環境や習慣の中で生活している人には、似た症状が出ることがありますから、心配する必要はありません。
【関連サイト】
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