小麦アレルギーの検査

血液検査と皮膚検査、負荷試験の3つです。

血液検査では、小麦でアレルギーが出るかどうかを見るために、小麦に対するIgEという免疫タンパク質の数字が高いかどうかを見ます。さらに、小麦の成分であるグルテン、ω5グリアジンについて検査することができます。

ω5グリアジンの値が高い場合、アナフィラキシー、特に食物依存性運動誘発アナフィラキシーを起こす可能性が高いと報告されています。石鹸で問題になった小麦の成分、グルパール19Sは、一部の大学病院で検査可能です。さらに、食物アレルギーの原因の小麦の成分は、αグリアニジンと呼ばれていますが、一般の検査としては測定できていません。

皮膚検査は、小麦または小麦の成分を皮下などに入れて赤くなったり、腫れたりしないかどうかを見る検査です。しかし、この検査自体でアナフィラキシーを起こすこともあるので、注意が必要です。

負荷試験は、小麦を食べて、上に述べたアレルギーの症状が出るかどうかを見る検査ですが、これも、アレルギーの症状がひどく出る場合もあり、医療従事者の観察のもとに行われるのが望ましく、検査入院になることがあります。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーでは、食物負荷に加えて、運動負荷を行うことがありますが、これも検査入院が望ましいです。

小麦アレルギーの治療

小麦

小麦製品を食べるのを控えます

症状を起こさないために、小麦を制限することが予防治療になります。小麦製品を控えることになりますが、小麦アレルギーの症状に応じて、少量でもアナフィラキシーを起こす場合は、完全除去になりますし、多く食べて蕁麻疹が少し出る人は、症状の出ない程度の制限になります。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーは、小麦を食べるだけではアナフィラキシーになりませんので、小麦製品を食べて数時間安静にしておくことで予防できます。

血液検査で小麦で陽性になっているだけで、小麦を除去するのは避けた方がよいでしょう。陽性でも食べても症状でいない人はいますし、仮に食べて症状が出ても、しばらくして再度負荷試験をすれば、症状の出ない人がいます。

もし、グルパール19Sに対するアレルギーのある人は、加水分解小麦成分を含む石鹸や化粧品を控えましょう。

アレルギー症状が起こってしまった場合には、その程度によって、抗ヒスタミン薬、ステロイド、血圧を上げるエピネフリンが使われます。アナフィラキシーから30分以内に、エピネフリンを使用すると救命できますので、アナフィラキシーを起こしやすい人は、エピネフリンの自己注射が可能です(2011年秋より保険診療可能で保険に応じて、2~3割自己負担)。

アナフィラキシーの治療

小麦を少しずつ食べてアレルギーの症状を抑える免疫療法の1つ、経口減感作療法があります。副作用、治療期間、対象年齢、治療に使用する成分など、まだまだ不明な点もあって、研究段階のため、一部のアレルギー専門施設か大学病院で行われるのが現状です。除去から食べて治すことから、どこでも安全に行われるのが望ましく、現在研究が進められています。

負荷試験の方法や免疫療法については、医学書では内容は難しいかもしれませんが、「小児アレルギー疾患診療ハンドブック」に記載しております。

アレルギー全般と免疫療法については、「アトピーを正しく知って治す新常識」にも少し紹介しています。


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