小麦アレルギーになってしまう原因は

今まで小麦を食べても大丈夫だった人が小麦アレルギーになるメカニズムの1つとして考えられているのは、「経皮感作」というメカニズムです。

加水分解した小麦を含む石鹸で、小麦アレルギーになったり、石鹸を使うとアレルギー症状が出る人が報告されました。特に、このような石鹸を使った上で小麦を食べて運動すると、全身のアレルギー症状であるアナフィラキシーを起こす病気を「加水分解小麦型食物依存性運動誘発アナフィラキシー」と呼ばれています。

食物依存性運動誘発アナフィラキシーとは

小麦アレルギーは食物アレルギーの1つですが、小麦はエビなどの甲殻類と同じで、食物アレルギー以外に食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因になっています。

皮膚からアレルギーになる?「経皮感作」とは

経皮感作

石鹸や化粧品などの皮膚に直接使う製品でアレルギーになることがあります(イメージ写真)

アレルギーのメカニズムは、本来、無毒なものを有害なものと考え、体から排除しようと働くことです。無毒なものが初めて侵入しても、多くの人は無毒として処理し、免疫は働きません。

しかし、何度か侵入していく中で、無毒なものを有害なものとして認識してしまうことがあります。これを「感作」と呼んでいます。食材の中にも感作されやすい物質が同定されています。

例えば、卵であれば卵黄より卵白ですし、卵白の成分であるオボアルブミン、オボムコイドと呼ばれているタンパク質です。小麦であればグルテン、ω5グリアジン。加水分解小麦の成分の入った石鹸で問題になっているのが、グルパール19Sという成分です。グルパール19Sは水で分解された小麦のタンパク質です。

このような有害と認識された物質(アレルゲン)が体に入ってくると、排除しようと様々なアレルギー症状が出てきます。

最近の研究で、アレルゲンは食べ物を食べるより皮膚から吸収される方が、感作されやすいという報告があります。

小麦アレルギーの症状

蕁麻疹

蕁麻疹が出てかゆくなることが多いです

小麦アレルギーの症状として、皮膚に出てくる症状と全身の症状があります。

皮膚に出てくる症状は、小麦の成分を含む石鹸を使った部分に蚊に刺されたような蕁麻疹が出てきたり、赤い発疹である紅斑が出てきます。まぶたの腫れも出てきます。アトピー性皮膚炎の原因が小麦の場合がありますので、数日して、アトピー性皮膚炎の出現や悪化が見られます。

全身の症状は、小麦を食べることで、アナフィラキシーを起こすことです。また、小麦は食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因の1つです。これは、小麦を食べて数時間以内に運動すると、アナフィラキシーを起こします。

アナフィラキシーの症状は下記のとおりで、2つの臓器以上に症状があれば、アナフィラキシーです。

  • 皮膚…赤い発疹、盛り上がった蕁麻疹、かゆみ、目の周りの腫れ
  • 消化器…ノドの痛み・違和感、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢
  • 呼吸器…くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)、声がかれる嗄声、犬吠様な咳、呼吸困難
  • 循環器…脈拍が多い頻脈、血圧低下、手足が冷たい、
  • 神経…元気がない、活動レベルの低下、めまい、不穏、意識消失

です。

アトピーとアナフィラキシー

このような状態になれば、速やかな医療が必要になります。

次のページで検査と治療を説明します。

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