キンニャモニャがお出迎え
中ノ島・海士町の菱浦港に着いたのは13時過ぎ。先ずは港に立つキンニャモニャセンター内の海士町観光案内所に立ち寄りましょう。この楽しい響きの「キンニャモニャ」とは隠岐に伝わる民謡でシャモジを持って踊ります。キン=金、ニャ=女、も無いけれど、と海士の豊かな暮らしぶりを讃えた歌だそうです。この案内所では宿泊施設や観光スポットの紹介からダイビングや釣り、ヒオオギ貝の絵付けやキンニャモニャ人形の手作り体験など楽しい過ごし方を提案しています。
島を巡るにはカウンターで販売されている手の平サイズのガイドブック「AMAP」(500円)が便利。島の情報が詰まっているので一つ持っていると安心ですし、ポイントを逃さずに満喫することができます。また、移動にはレンタカーを借りてしまったほうが良いでしょう。
今晩の宿「島宿 但馬屋」がある北分地区からほど近いパワスポを幾つか訪ねてから宿に向かうことにしましょうか。
菊の御紋の神
パワースポットといえば、先ずは中里地区にある隠岐神社。隠岐は中世の時代に後鳥羽上皇が流刑され生涯を閉じた地。御祭神は上皇です。挨拶を済ませたら立ち寄りたいのが社務所。天皇家の御紋は言わずと知れた菊ですが、その菊は後鳥羽上皇が好きで刀に刻ませたことが始まりだそうで、隠岐に連れてきた愛人の名も亀菊と言ったとか……。神紋である菊浮線が描かれたお守りが売られています。もちろん、縁結びにもご利益があるようですよ。
また、奉納塩である海士乃塩にも注目です。
ここ海士は、古代から朝廷に海の幸を献上してきた御食津國(みけつくに)でもあり塩作りもされてきました。この塩は昔ながらの製法で海水を薪炊きし、天日干しした特別な塩なのです。お土産にも喜ばれそうですね。
ラブリー!
岩の下の穴が開いているよ・・・
この金光寺はあの閻魔大王と通じていたとされる小野篁(小野小町の祖父)が隠岐に流された際に百度参りをし、都に帰ることができた謂れのあるスポットと伝えられています。後鳥羽上皇にしても小野篁にしても相当のパワーを持った偉人たちが海士に上陸していたのですね。
そして、山から海へ降りると「明屋海岸」が広がります。ここは女子力が上がるスポットですので、絶対に外さないでほしいです! 海岸沿いに歩いていくと見える三角形の岩。どんどん近づいていくと何かの形に見えてきますよ。
何でしょうか??? ハートです!!
波で侵食された部分がハート形をしているため、恋人同士で見ると幸せが訪れるそうですよ。神代の時代にお産がされたという伝説も残り、「産屋」とされる岩も残っています。夏の間はキャンプ場としても開放され、見上げる星空は溜息が出るほど綺麗だそう。ハートに星空! 気分が上がること間違いなし!です。
島酒は島外不出
最後は日本百名泉にも選ばれた保々見地区の「天川の水」。ここは宿から少し離れているので次の日に訪ねてみてもよいでしょう。この湧き水と海士町の酒米を使った島の酒が、後鳥羽上皇の時代を名付けた「承久の宴」。島外では売られていない貴重な酒です。さあ、お腹も空いてきました。その銘酒を頂きに宿へ向かいましょう。
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