世界に誇れる「小さくて経済的な車」

気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はスバルR1(絶版)を取り上げたいと思います。ご存知のように、スバルはトヨタと資本提携を結ぶことの引き替え条件的に、自社による軽自動車の生産を中止することになりました。このR1は今年3月に生産が終了。スバルはすでにダイハツからのOEMの軽自動車を販売しています。しかし軽自動車で唯一4気筒を積んでいたり、4輪独立懸架のサスペンションが奢られているスバルの軽自動車は根強い人気があります。

R1 フロント

5ドアのR2のホイールベースを短くして作られたとはいえ、R2の新車時価格が86万円~だったのに対し、R1は114万円~142万8000円(2005年のスーパーチャージャーモデル登場時)。価格も軽自動車にしてはスペシャルカーでした

R1は2004年12月にデビュー。前年度の東京モーターショーに出品されたコンセプトカー「R1e」を、ほぼそのままに市販化したモデルで、R1より1年前に登場した5ドアのR2のホイールベースを165mm切り詰めて2ドア化したものです。とはいえ、最初からR1があって、2ドアじゃあまり売れないだろうから5ドア(つまりR2)も用意して先に売っておこうか、という臭いがプンプンするほど、とてもデザイン的にまとまっています。

ホイールベースを切り詰めたわけですから、後席はお世辞にも広いとは言えませんが、軽自動車に4人で乗る機会はなかなかないよという方も多いはず。そういった方々にはピッタリなサイズです。軽自動車枠いっぱいにサイズを拡大している車がほとんどの中、全長で110mmも「余らせて」作られた贅沢な軽自動車、という見方もできます。自動車大国ニッポンにおいて、軽自動車をもっと世界に誇るべきだと思っている私としては、軽の中でも広いとか狭いという日本人的な尺度でこの車を見るのではなく、一台の自動車として、「小さくて経済的な車」として世界に出しても恥ずかしくない一台だと思います。

R1   リア

R2よりドア枚数が少ない分、ドアの長さを拡大。またドアヒンジを前傾させることで、ドアを全開にできなくても上方がより大きく開いて乗降しやすくしています。また最廉価版となるiでもアルミホイールを標準装備しています

この車に魅了された人は私だけではないようで、確かに中古車台数では圧倒的に少ない(つまり不人気だった)にも関わらず、5ドアのR2や、軽自動車の雄スズキワゴンR(旧型)に比べても中古車価格はむしろ高いのです。ですから通常ならおいしくはないのですが、まず絶版であること(二度と手に入らないこと)と、高いとはいえ例えばワゴンR(旧型)と比べて約15万円高い程度で(2005年式/4万km前後で比較)支払総額でも70~80万円で買えるのであれば、私は程度の良い車が選びやすい今のうちに買うのがお得だと思います。

とはいえ約15万円の差は無視できるほど少額ではありません。R1の魅力を次ページで詳しく見ていきましょう。