カフェで生まれる出会い

壁の一角にはブックセレクターが選んだセンスの良い書物が並びます。購入可能。

壁の一角にはブックセレクターが選んだセンスの良い書物が並びます。購入可能。

夜のムーンファクトリー・コーヒーは、三軒茶屋に林立する大小の飲食店で楽しんできた人々が「今日をしめくくるおいしい一杯」を求めて訪れることが多いのだそうです。お酒を呑んでほろ酔いになった人々が豊かな苦味をもつ珈琲で頭をすっきりさせたり、レストランでコース料理を楽しんだ人々が最後の珈琲をそこで飲まずに、わざわざムーンファクトリーにやってきたり。

あるお店の常連客たちが、もう一組の常連客たちとムーンファクトリーの店内でばったり顔を合わせ、予想外の場所での遭遇に「なんだかラッキーだね!」と喜びあう光景も見られたそうです。

「そんなふうに人と人が出会っていくのが嬉しくて、今日いちばんラッキーだったのは私、と思いました(笑)」
「どうして僕の好きな本がわかるんですか」と驚いて購入していったお客さまもいるとか

「どうして僕の好きな本がわかるんですか」と驚いて購入していったお客さまもいるとか。

出会うのは人ばかりではありません。本との出会いも生まれています。壁の一角に積まれた書物の数々はブックセレクターによって選ばれており、言葉の愉しみを知る人々にとってたまらない魅力を放つものばかり。

「川口さんがブログに、ムーンファクトリー・コーヒーという店名から稲垣足穂を連想する、と書かれたでしょう? それをブックセレクターの人が読んで、稲垣足穂の本をお店にプレゼントしてくれたんですよ」

その本とは『人間人形時代/カフェの開く途端に月が昇った/宇宙論入門』。杉浦康平がデザインを手がけ、本の中心にレコード盤のように孔をうがった工作舎の一冊は、私の自宅の本棚にもある宝物です。
ディスプレイに加えられた稲垣足穂の本。

ディスプレイに加えられた稲垣足穂の本。

そのようにしてシナプスがつながっていく書物。人々。北海道・美幌にある自家焙煎珈琲店「豆灯」の豆を用いてドリップするおいしい珈琲。それらとの密やかで胸おどる邂逅を月工場でお楽しみください。

そうそう、月と出会うこともできるのです。 今年の十五夜、高橋さんは月見団子をたずさえてカフェを訪れたお客さまといっしょに、ビルのすきまから顔を出す満月を窓ごしに愛でて楽しんだといいます。

そして時刻によっては、カフェの天井に消えいりそうな三日月が浮かびあがります。お店を訪れたら、目だけでこっそり探してみてくださいね。
ムーンファクトリー・コーヒーのメニューとショップデータは次ページ。

 

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