星野リゾートの新ブランド「界」を訪ねて

全国で温泉宿やリゾートホテルを展開する「リゾートの達人」星野リゾートが、運営する高級温泉旅館を「界(かい)」という新ブランドに統一し、2011年10月スタートさせた。最初のラインナップは、青森の「界 津軽」、信州の「界 松本」、島根の「界 出雲」、熊本の「界 阿蘇」の4軒。今後数年で30軒程度の旅館ブランドを目指すという。外国人にとっても、日本人旅行者にとっても、ある程度のクオリティが保証されたブランド旅館チェーンは、宿を選択するうえで重要な要素となる。今後の「界」ブランドの温泉旅館に注目してみたい。

界出雲

界 出雲の全景。神々しい森に囲まれた純和風旅館

そこで早速、「界ブランド」旅館を訪ねてみようと、そのうちの一軒に出かけてきた。

行き先は、近年とても元気な玉造温泉(島根県)の「星野リゾート 界 出雲」。新しいブランドを体験するとともに、「玉造が元気な理由」を探ろうと、そしてまた、「酒どころ出雲の銘酒をしこたま堪能しよう」という魂胆である。

そこで私は一人の女性、ハンドルネーム「しまねぇ」に出会う。

 

吟醸逗留

界出雲

日本で最初に酒を醸造したと伝わる「佐香神社」

かつて神無月と呼ばれた10月。逆に出雲は、日本中の神様が集まる「神在月」だ。神々が出かけてくる出雲は、出雲大社をはじめとして神社が多い。そのせいもあるのだろう、島根県では県をあげて「縁結びツーリズム」を展開している。飛行機が宍道湖の湖面すれすれに着陸する湖畔の空港も「縁結び出雲空港」。実に神々しいネーミングである。

日本酒の消費量日本一の市町村を競う常連が、松江市だと知っている人は少ないかもしれない。ただ、出雲は古くからの酒どころ。神様には酒が似合う。宍道湖の北側には佐香神社(松尾神社)という「日本酒の神様」もいる。

 

界出雲

「界」では、その地の文化を体験できる。出雲では、接茶のもてなし

界 出雲では、「吟醸逗留」と称し、出雲ならではの日本酒をテーマにしたもてなしプランを計画中と聞き、実験台となってきた。

ちなみに、界ブランドの旅館では混んでいない限り、多少料金は高くなるものの、一人旅も受け入れてくれる。夕食なしの宿泊もできる。それは、一泊二食をうたっているが、内々では宿泊と食事の料金を分けるホテルスタイルを採っているから。ドンブリ勘定の団体旅館が倒産していったのとは対照的な合理的経営スタイルなのでうれしい。

 

界出雲

界出雲のスパ「一止」。手軽にスパが体験できる

出雲空港から玉造温泉までは、宍道湖を眺めながらわずか30分のドライブ。玉湯川の温泉街に入ると、ほどなく川の左岸に二階建ての純和風旅館に着く。かつては有楽という名前の旅館を星野リゾートが運営を始め、この10月から「界 出雲」となった。

星野リゾートでは、地域の個性に合わせた様々な企画を支配人以下社員が考え、常時発信している。「吟醸逗留」もそのひとつ。食事の際の日本酒はもちろんのこと、日本酒風呂、日本酒スパ、翌日は佐香神社と松江の酒蔵に案内もしてくれる予定で、日本酒好きにはたまらない企画だ(早く実現できるといいですね) 。

さて、どんな企画なのか、その内容は次ページで。