夫や子どもは、自分のモノを自分で管理しない
LDK内のどこが各自の居場所かを尋ねてみたところ、Hさんは台所スペース、夫は壁際に置かれている棚を背もたれにして床座、子どもはその隣に床座ということでした。そこで、私は台所スペースから3歩以内のところにHさんが使うモノの置き場所を決め、全てのモノの定位置を決めてもらいました。面倒臭がりの夫の置き場所は、座ったまま手を伸ばせば届く範囲の棚に決め、全ての使うモノの定位置を確保しました。子どもは身軽で活動的なので、3歩以内の棚におもちゃの置き場所を決め、使うモノはひとつひとつ、母親任せにするのではなく、自分で置いてもらいました。
このように自分が使うモノは、たとえ子どもであろうと、夫であろうと、自分で使いやすいところに定位置の置き場所を確保することが「家ロジ」ではとても重要と考えています。
モノは使い終わったら元に戻す、という習慣がないのでリバウンドする
ところが、いったん、定位置の置き場所に全てのモノを置いたとしても、使うために出したら元に戻さなければ、すぐに散らかってしまいます。「家ロジ」の原理原則3は「出したら元に戻す」です。H家では夜遅くに帰宅した夫が脱いだ服や靴下は床に置きっぱなし、チェックした資料も同様。父親の背中を見て育った子どももまた同じ道をまっしぐら、といった有様です。
夫が使ったモノは夫自身が元に戻さなければ、散らかります。妻は深夜まで夫の行動を監視することはできませんし、始終子どもの後をついて回って、チョイ置きのモノを元に戻すことは不可能です。掃除は他人でもできますが、勝手に動かさないで!と文句を言うように、本来モノは使う人以外には思うようには扱えません。
私が見るところでは、片付かない!と嘆くご家庭の8割は、この各自が使ったモノは使った人が元に戻す、ができていないのです。よくいったん片付いたものの、すぐにリバウンドしてしまうのは、これが最大の原因です。
出したら元に戻すは、朝起きて歯磨きしないと気持ちが悪いように、元に戻さないと気持ちが悪いと思うようになるよう習慣化しなければ、徹底できません。しかも家族全員が一丸となって習慣化する以外に方法はありません。その習慣を身につける方法について、ここで詳しくご説明すると長くなりますので、興味のあるかたは、拙著をご一読ください。
今は使わないけれど安いから買っておく、もリバウンドを招く
加えてリバウンドしないためには、原理原則2「捨ててから買う、買ったら捨てる」で、買い過ぎによる置き場所不足に陥らないようにすることです。H家の場合はご夫婦とも超多忙なため、買い物に行く時間などほとんどないために、買い過ぎは心配ありません。しかしながら一般的なご家庭では、今は使わないけれど、通販、特売、で安いから買っておく、買い置きのモノがリバウンドの原因になりやすいので、注意が必要です。
それでは、最後に片付かない真の理由をもとに、片付けのコツを改めて整理しておきましょう。
- 家族全員が自分の使うモノを明らかにする
- 各自が使いやすい置き場所に定位置を確保して置く
- 各自が使うために出したモノは必ず元に戻す
- 各自が捨てやすい場所にゴミ箱を置く
- 今使うモノ以外はたとえ安くても買い置きしない
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