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食糧自給率以外の課題…飼料自給率とエコフィードとは(2ページ目)

近年、耳にするようになった「エコフィード」について、皆さんはご存知ですか? 「エコフィード」は、食品残サを家畜用飼料にリサイクルすること。今回は「エコフィード」について解説します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド


安全性を確保するために

平成21年にはエコフィード認証制度、平成23年からはエコフィードを利用した畜産物の認証制度をスタートさせました。「エコフィード(ECOFEED)」は、社団法人 配合飼料供給安定機構の登録商標で、平成23年9月5日現在、12業者47製品の食品循環資源利用飼料がエコフィードとして認証されています。

エコフィードとして認証されるためには、前提条件として、「食品残さ等利用飼料等の安全性確保のためのガイドライン」の遵守がされている他、一定比率以上の食品循環資源を利用していることが必要となります。

認証を受けると、店頭に並べる商品の商品名に「エコフィード」と、また認証マークをつけることもできます。

エコフィードを進める上で、最後に店頭で選ばれるためには、食品残さを利用した飼料について安全性の確保や、それを消費者に理解してもらうことが必要です。

エコフィードはその原料となる食品残さの水分含有量が多く、常温では腐敗や臭気の発生等のリスクがあるため、乳酸発酵・乾燥など様々な技術を開発しています。

また原料となる食品残さの種類が多様であることから、ロットごとに成分が変動しやすいため、食品製造業などから大量にでる食品残さを使って、成分の安定を図るなど工夫がされています。

この制度を進める上で、行政機関、研究機関、農業団体、食品関係団体、飼料関係団体等の関係者、そして消費者も参加して「全国食品残さ飼料化行動会議」を立ち上げ、計画・実行・点検・情報交換などを行い、取り組みを進めています。

徐々にデパートや通信販売などでもこだわり肉として販売され始めていますので、皆さんも近いうちに味わう機会があるかもしれませんね。


参考/
社団法人 配合飼料供給安定機構
社団法人 中央畜産会
・「飼料をめぐる情勢 生産局畜産部畜産振興課 消費・安全局畜水産安全管理課 平成22年12月」(農林水産省)
・「畜産利用意向調査集計結果(リサイクル飼料の利用)平成21年度」
(社団法人 日本養豚協会)
・日本農業新聞(2011.8.28号)
その他

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