100年店ランチ/東京の100年店ランチ

やっこ(うなぎ/浅草/創業寛政年間)

汗をかきながら「うなぎ」をかき込む。暑い季節には何度か欲しいシーンですね。今回は、浅草で長年支持され続けるうなぎ店「やっこ」をご案内します。

菅野 夕霧

執筆者:菅野 夕霧

100年店ランチガイド

100年店密集エリアに200年店の「やっこ」

店頭

雷門通りに面した同店

東京最古のお寺・浅草寺。国内外の観光客を中心に年中にぎわいを見せる浅草には数多くの老舗店が存在します。創業100年を経過する店を追いかける私にとって、“浅草攻略”は避けて通ることはできません。東京都内に限って言えば、100年店が一番密集しているエリアです。

吾妻橋から雷門の前を走る雷門通りは、一店一店が興味深い味わいを醸し出す老舗店がずらりと軒を並べています。雷門から西へ人をかき分け歩いて5分程度でしょうか。右手に創業200年超えのうなぎ店「やっこ」が現れます。

東武浅草駅や都営浅草線の浅草駅よりも、つくばEX浅草駅や銀座線・田原町に近い立地です。通りからスペースを割いた重厚な面構え。老舗店の迫力を感じますね。
 

創業は江戸時代・寛政年間(1789~1800年)

コースター

“江戸”を感じさせるコースター

「やっこ」の創業は1700年代の寛政年間。時の将軍は第11代徳川家斉(いえなり)です。 歴代最長在位(50年)の将軍家斉は、精力増強のためオットセイのペニスを粉末状にしたものを飲んでいたことから別名・オットセイ将軍と呼ばれた人物。「やっこ」は、15歳で将軍となった家斉を補佐する形で老中・松平定信が行った「寛政の改革」時に創業するという……古い、そして凄い歴史を保持しています。

店内に置かれているパンフレットの「奴(やっこ)の由来」によると、1800年代に発刊された『江戸買物独案内』や『江戸自慢蒲焼茶漬番付』に掲載され評判を呼び、『江戸前大蒲焼番付』で「西前頭筆頭」に。以降も、1884年に「行司」、1948年には「横綱」になっています。「行司」って何だ?との引っかかりもありますが、現在のグルメガイド本のランキングのようなものでしょう。美食を求める姿勢は今も昔も変わりありませんね。

では、200年店へ入ってみましょう

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