腰痛/腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアの症状?受診までの注意点

腰痛の人が心配することが多い「ひょっとしたら腰椎椎間板ヘルニアなのでは?」という不安。腰椎椎間板ヘルニアの症状にあてはまっていないか、傾向チェックと注意点を解説します。

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

腰椎椎間板ヘルニアの診断は整形外科で

椎間板ヘルニアは整形外科で受診可能です

椎間板ヘルニアは整形外科で受診可能です

腰痛を抱える人の中で、多く聞かれる心配事のひとつに「腰椎椎間板ヘルニアだったらどうしよう?」「このままでは腰椎椎間板ヘルニアになってしまうのは?」というものがあります。腰椎椎間板ヘルニアになってしまったら、ひどい場合は手術をしなくてはならないという心配が頭をよぎるようです。

今感じている症状が腰椎椎間板ヘルニアによるものなのかどうかは、医療機関で検査しなければはっきりとは判断できません。整形外科では、まずは問診で痛みの状態や日常生活がどの程度送ることができているかなど医師と話をします。

さらに、症状に関わる部位を目で確認し、感覚の検査、動作による検査、筋力の入り具合など神経系の検査を行い、実際に触れて確認することなどがあります。そして腰部の状態がどうなっているのか、症状の原因となりうる状態なのか、といったことを判断するために画像検査を行う場合があります。

大切なのは放置しないこと!

腰椎椎間板ヘルニアによる症状かは、上記のように検査すべき項目が複数あります。また、受診の前にご自身で椎間板ヘルニアの傾向がないかチェックすることもできます。あてはまるようでしたら、病院へ行くまでに注意した方がよい日常生活でのポイントを確認しておきましょう。

すぐに整形外科を受診できない場合は、後述するポイントを意識しつつ、なるべく早めに受診することをお勧めいたします。腰椎椎間板ヘルニアが原因で、ぎっくり腰になることもあり、そうなると痛みが強く回復が遅くなる可能性もあるため、ケアせず放置することは避けたほうが良いとでしょう。

腰椎椎間板ヘルニアの可能性は……?

腰椎椎間板ヘルニアは、20~30歳代の人に多くみられると、聞いたことがあるかもしれませんが「私は40歳代だから大丈夫!」というわけではありません。あくまでも平均的な数値ですのでご注意ください。また、腰椎椎間板ヘルニアと似た症状の起こる疾患であったり、それを併発しているケースもありますので、いずれにしても医師の診察が必要になると思います。

神経が影響を受けている部位や程度にもよりますが、以下の項目が、多く見られる腰椎椎間板ヘルニア関連の症状になります。

■腰椎椎間板ヘルニアチェック表
    ピンク色の部分がしびれや痛みの出る範囲です

    ピンク色の部分がしびれや痛みの出る範囲です

  • 腰痛だけではなく、図のような範囲にしびれや痛みが走る(お尻・太ももの裏側・太ももの外側・ふくらはぎ・足の裏・足の指)
  • お尻の痛みやしびれが頻繁に感じられる
  • 歩行に支障がある
  • おじぎをしたり、椅子にすわったりと屈む姿勢で症状が悪化する
  • 太ももやふくらはぎ、足に重だるさや冷感がある
  • 立っていることがつらい、または不可能
  • パンツや靴下を履くことが困難
  • 足首が思うように動かなくなる
  • 下肢の筋肉が痩せてきている(左右差がみられる)

※前屈みと上半身を後ろへ反らす姿勢の両方で症状が出る人は、早急に整形外科を受診されたほうが良いと思います。

日常生活での注意点

デスクワークや会議など座りっぱなしの状態により症状が悪化する場合があります

デスクワークや会議など座りっぱなしの状態により症状が悪化する場合があります

腰椎椎間板ヘルニアチェック表の項目の中には、腰部・骨盤に付着している筋肉の過度な緊張から、似た症状が起こり、腰やお尻の筋肉をほぐすことで緩和されるケースもありますが、受診するまでは念のため、次のことに気をつけて生活を送りましょう。

また、多忙な人や体を酷使する職業の人は、特に無理は禁物! そこまで重度の症状ではない、という人でも、医師の診察を受け、診断が確定して、治療が必要であればその計画が決まるまでは、身体を酷使する仕事は他の人に代わってもう方が、今後の悪化の心配を考えると安心だと思います。

  • 起床のとき、仰向けの状態から上半身を起こさずに、なるべく手を布団についてゆっくりと起き上がる
  • 洗顔や着替えの際、前屈み姿勢は痛みが出るため注意する
  • 足を投げ出して長座をしない
  • あぐらは腰が丸くなりやすいので避ける
  • くしゃみや咳で負荷が増すため注意が必要 
  • デスクワークでの負担は大きいので、避けるかなるべく短時間で区切りながら行う
  • 腰が沈み込むようなソファやクッションには座らない
  • 腰を鍛えようと、腹筋トレーニングは行わないようにする

腰の負担を少しでも和らげる方法

全く座ることができない、歩行ができないなど、日常生活への支障が著しい場合はすぐに整形外科を受診するべきですが、軽度かすぐに受診ができない場合は、なるべく安静にして過ごしましょう。横になっても痛むケースもありますが、起き上がり椅子に座っている方が負担が強いため、痛みの和らぐ姿勢をみつけて布団に横になります。

また、前かがみはなるべく避け物を取る際もヒザを床につけて、上体を低くするなど腰を丸めない姿勢をとります。どうしても仕事や家事等が休めない、といった場合は、腰痛ベルトを腰に巻くことで症状が和らぐことがあります。入浴については、バスタブの中に座ることができない人もいますので、症状の強いときは、立ち姿勢のシャワーで済ませ、無理に体を温めようとしないようにしましょう。


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