まずはエンジンが掛からない理由がバッテリー上がりなのか確認
クルマの性能は日々進化を続けているが、依然としてバッテリー上がりのトラブルは、ロードサービスの最大の要因となっている。逆に電気の使用量が多い今どきのクルマでは、バッテリーに対する負担も増えてきている
バッテリー上がりを防ぐには、定期的にバッテリーのコンディションを点検し、劣化が疑われる場合には、十分に補充電を行う、もしくは早めにバッテリーを交換するというのが、その対策法となります。ただ、現実的には、エンジンの掛がり悪いなど、明らかな症状でもなければ、車検や12か月点検などの際にチェックしてもらうというのが一般的なところでしょう。
そのため、バッテリー劣化の兆候を見逃してしまい、突然、バッテリー上がりに見舞われるということになるわけです。では、自宅のガレージや出先などで実際にバッテリー上がりを起こしてしまったときには、どのように対処すればいいでしょうか。
まず、キーをひねってもエンジンが掛からないときには、その原因がどこにあるかを探る必要があります。キーをひねるとセルモーターは元気よく回るが、エンジンが掛からないという場合は、ガス欠やエンジン点火系のトラブル、または燃料噴射システムなどのトラブルも考えられます。
まずは燃料計を確認し、ガソリンが残っているかどうか確認してみてください。残量は十分あるのに掛からないなら、制御関係のトラブルが疑われます。この場合は、自分で対処するのは難しいケースが多いので、JAFなどのロードサービスを依頼すべきでしょう。ガソリンが入っていなければ、もちろんガソリンを給油することが先決です。
次にセルモーターが全く回らないというときには、バッテリーが完全に上がっている、または制御系のトラブルが考えられます。キーをオンの位置まで回したときに、メーターパネル内の警告灯が点灯しているが、光り方が弱々しいという状態なら、バッテリー上がりの可能性が濃厚です。しっかり点灯しているが、セルモーターが反応しないという場合は、セルモーター自体のトラブルを含め、何かしら制御系の不具合が疑われます。
問題はメーターパネルの警告灯も点かないというときです。この場合もまず疑われるのは、バッテリーが完全に上がってしまっている状態です。また、直近にバッテリーを交換したり、ターミナルを外す作業をしている場合には、締め付け不足によるターミナルの緩みが原因となっていることもあります。バッテリーのターミナル部を触ってみて緩んでいるようでしたら、ターミナルを締め直すことで解決するかもしれません。
そうした原因が見当たらない場合は、現場でトラブルシューティングを行うのは難しい状況だと考えられますので、やはりロードサービスを依頼すべきです。
次ページでは、バッテリーが弱っているときの対処法を紹介します。