住まいにおいて重要なのは安全性
住まいにおいて何を重要と思うかという質問に対して、上位10項目は以下の通りです。第1位 火災・地震・水害などに対する安全 15.5%
第2位 治安、犯罪発生の防止 12.9%
第3位 地震・台風時の住宅の安全性 12.1%
第4位 日常の買い物、衣料・福祉施設・文化施設などの利便 8.6%
第5位 住宅の広さや間取り 7.0%
第6位 福祉・介護等の生活支援サービスの状況 4.4%
第7位 通勤・通学などの利便 3.5%
第8位 住宅の防犯性 3.4%
第9位 近隣の人たちやコミュニティとの関わり 3.3%
第10位 高齢者等への配慮(段差がないなど) 2.5%
最も多かったのは、「火災・地震・水害などに対する安全(15.5%)」で、3位の「地震・台風時の住宅の安全性(12.1%)」を加えると、地震など自然・災害に対する住宅性能を重視している人が3割近くにのぼります。また、「治安、犯罪発生の防止」が2位になっているのは、近ごろの傾向だといえるでしょう。
これは、残念ながら今回の調査で新設された質問なので、過去との比較はできませんが、現代では自然・災害や、防犯面で安全性の高い住まいが求められ、それらの要望を満たす住宅が増えていることによって、わが家への満足度が上がってきたと見ることができそうです。
耐久性やメンテナンスについては関心が低い
第11位~第30位までの詳しい結果は、国土交通省の調査データを見ていただきたいのですが、残念だと思ったのは、耐久性やメンテナンスについての関心の低さです。「住宅のいたみのすくなさ(0.9%)」は23位、「住宅の維持管理のしやすさ(0.9%)」は24位で、まだまだ関心は薄いようです。また、住宅の断熱・気密性能についてもあまり関心がないようで、0.5%で27位となっていました。今後、現在の住宅に満足している世帯がもっと増えていけば、10年後、20年後の調査結果では性能に対する関心の低さが覆っているかもしれません。期待しましょう。
街並みや自然など周辺環境は気にならない?
やはり、新設された質問で、「住まいにおいて重要とは思わない」ものについて、以下の回答が上位に入っています。第1位 親や親戚の住宅との距離 18.7%
第2位 まちなみ、景観 13.9%
第3位 子育て支援サービスの状況 11.6%
第4位 住宅の広さや間取り 9.1%
第5位 緑・水辺など自然とのふれあい 7.5%
この調査は先般の東北大震災のずっと以前のものですから、「親や親戚との距離(27位・0.6%)」は重視されていません。しかし、もしかしたら、今後の調査結果では重要と思う項目の上位に上がってくる可能性があるでしょう。
また、意外なところでは、「まちなみ、景観」や「緑・水辺など自然とのふれあい」が上位になっているということ。住まいの安全性には関心が高いのに、街並みや周辺環境にはあまり関心がないということでしょうか。ちょっと矛盾する気もしますね。
性能の高い家を建てることによってわが家に満足している人がこれからも増えることを望みます
東日本大震災を経験した人たちが今後どのような回答をするのか、次回の2013(平成25)年の調査結果では、さらに変化が見られることでしょう。住まいにおいて重要だと思う項目として「災害に対する安全」が上位に上がってくるのは間違いがないとしても、もう少し住宅の基本性能についても関心をもってもらいたいと思います。