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無料でゲームを配る任天堂の危うさ(3ページ目)

2011年8月11日、ニンテンドー3DSの本体価格が1万円値下げされ、15,000円での販売がスタートしました。それにともない、値下げ前に購入したユーザー向けに、ファミコンソフトや、ゲームボーイアドバンスのソフトを無料で配信されます。無料でゲームがもらえるなんて、なんとも太っ腹な話に思えますが、ここには危うさも感じられます。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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お金を払ってでも欲しいソフトが欲しい

積みゲーの図

ゲームを買ったのに、遊ばない状態を、積みゲーなんて言いますね。いつでも遊べるなんて思っていると、結局遊ばなかったり。(イラスト 橋本モチチ)

大人でも、自分で買ったゲームより、友達に借りたゲームの方が投げ出しやすかったり、あるいは、2本、3本と同時にゲームを購入したことで、イマイチ集中できなかった、なんて経験をしたことがある人はいると思います。やっぱり、発売日を楽しみにして、そして身銭を切って買った1本のゲームというのは、遊ぶ方も気持ちの入り方が違います。

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任天堂というメーカーは、たった3社しかない、コンシューマーゲーム業界のプラットフォームホルダーのうちの、1つです。ライバルも含めて、ゲーム業界のあらゆるメーカーがその動向には注目しています。困ったときにはオンラインでゲームを無料配信する、というような流れがゲーム業界にできることは、非常に危険です。それこそ、ゲームの価値を下げかねません。

オンライン環境が整備されることで、モノを製造する必要もなくなれば流通のコストも劇的に下がり、無料ゲームの配信は非常にやりやすくなりました。だからこそ、安易な無料配信に流れるのは危険であると言えます。ゲームが無料でもらえる、たくさんもらえるということが、ゲームを遊ぶ現場でどういう意味を持つのか。本当にゲームを楽しんでもらえるのか。ゲームは素晴らしいと、満足したと、もっと遊びたいと、思ってもらえるのか。真剣に考え、慎重に行う必要があるはずです。

そして、多くのゲームユーザーが本当の意味で求めているのは、無料で貰えるソフトではなく、いくらお金を払ってでも欲しいと思えるタイトルではないでしょうか。今月はどうしても欲しいソフトが2本も3本もあるけど、どれを買おう、と迷いたいのではないでしょうか。

いくら価格を下げても、無料でソフトをつけても、そういったタイトルが無ければ意味はありません。3DSが無料のソフトではなく、どうしても買いたい、そう思えるタイトルラインナップで、年末、春と魅了してくれることを期待します。

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【関連サイト】
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