記名被保険者年齢別料率とは?
この動きの中で、2011年の任意の自動車保険料率改定については、既に自動車保険の改定をしたところ、改定予定をしていたにもかかわらず東日本大震災の影響で時期をずらしたところ、これから改定予定のところ、まだ改定を発表していないところなど状況は様々です。
このように各社で改定時期に何ヶ月かのバラつきがあるため、それぞれ一律に同じ時期で料率改定をしているわけではありませんが、そうした中でも、数社の損保が「記名被保険者年齢別料率」という制度を採用し始めるという動きを見せております。また、まだ未発表の会社もありますが、2011年度の自動車保険の改定について記名被保険者年齢別料率を採用するところが増えてきそうです。
この記名被保険者年齢別料率とは何か、自動車保険の改定はどういう傾向なのか、来年以降の動きについて等についてみていきましょう。
記名被保険者年齢別料率とは何か?
自動車保険は運転する人の年齢によって条件を決めます。一般的には「全年齢補償」「21歳以上補償」「26歳以上補償」「30歳以上補償」、商品によっては「35歳以上補償」などがあります。全年齢補償なら誰でも運転できますが、若い人が運転する分、保険料は高くなります(21歳→26歳→30歳となるほど保険料は安い)。「記名被保険者年齢別料率」区分とは、記名被保険者が個人で、自動車保険の年齢条件が26歳以上補償や30歳以上補償(35歳以上補償はここに組み込むようです)などの場合に、記名被保険者の年齢に応じた料率区分が適用されるものです。
つまり条件が同じでも、支払う保険料が記名被保険者の年齢で異なってくるということです。具体的なイメージは表のようになります。
例えば30歳のAさんと60歳のBさんがいるとして、年齢以外の条件は車種や補償内容などすべて同一だったとします。この場合、AさんもBさんも自動車保険の年齢条件を契約上30歳以上補償というタイプにします(一番高い年齢条件が30歳以上の自動車保険とする)。
しかし支払う保険料はAさんは30歳~39歳の保険料率、Bさんは60歳~69歳の保険料率を適用するため、負担する保険料が変わります。記名被保険者年齢別料率は保険料を計算するための区分ですから、これによってAさんとBさんの補償内容などに違いがでるわけではありません。
これまでは、年齢が高くなっていった場合、40歳でも50歳でも60歳でも年齢条件は同じでした(同じ年齢の保険料率が適用されていた)。つまり50歳以上補償などという条件はありませんでしたから、記名被保険者年齢別料率によって、これらの人の保険料率を細分化したとイメージしてください。
なおこの記名被保険者年齢別料率は各損保よって異なりますし、車種や契約内容等などによっても大きく変わってきますが、70歳以上などの高齢者の方の保険料率のアップ率が高くなる傾向にあるようです(全年齢補償や21歳以上補償はもともと対象が18歳~20歳、21歳~25歳と細分化されているのでこの区分の適用なし)。
任意の自動車保険、来年以降はさらにどう変わる?
ここまでお話したように2011年度の任意の自動車保険のポイントは、記名被保険者年齢別料率の適用です(最終的にすべての損保がこれを使うかどうかはまだ未定です)。しかし実はこれだけでは終わらず、来年以降についてもさらなる改定が予定されています。まず任意の自動車保険はノンフリート等級という制度で割引や割増が各契約者ごとに決まりますが、来年大手損保で予定されているのは、事故があった場合、割引(割増)率の異なるノンフリート等級制度が使われるというものです。
例えば同じ等級でも無事故の人用のものは50%引きで、事故があった人は40%引きになるというものです。詳細については未定の部分もありますが、こうした料率や制度の改定動向には注視してください。
その他、地震や津波による損害で自動車が修理不能になった場合、一律50万円支払う特約の販売を予定している会社もあります。
これから来年にかけて自動車保険は色々と動きがありますから、自分の加入先の損保の改定の状況も気にするようにしてください。
※保険会社によって商品や改定内容・改定時期などに違いがある点は考慮してください。
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