タオルミーナを歩く、絶景スポット
まずは、町の中心ウンベルト通りを歩いてみましょう。メッシーナ門から入ると、すぐ右手にコルヴァヤ館 (Palazzo Corvaya)があります。1階にツーリストインフォメーションがあるこちらの建物は、古代ギリシャ・ローマ時代に造られた壁の一部を利用して11~15世紀の間に改築・増築が行われたもの。内部にはシチリア民衆伝統芸術博物館があります。ウンベルト通りの中間あたりには、4月9日広場(Piazza quattro settembre)。地元のご老人が憩う広場テラスからは、爽快な海景色が望めます。広場周囲には、ゴシック様式のサン・アゴスティーノ教会、17世紀バロック様式のサン・ジュセッペ教会や時計台。のどかな南イタリアの時間が流れています。さらに、ウンベルト通りを進むと大聖堂(Cattedrale)が。大聖堂の下を下ると、グラン・ブルーの撮影でも使われた有名なサン・ドメニコ・パラス(Convento di San Domenico)。修道院ですが、現在はホテルとなっています。
町を含めた周囲の風景すべてが見どころ……そんな景勝地タオルミーナですが、歴史は古く、その開祖は紀元前4世紀頃。古代ギリシャ、古代ローマ帝国の配下に置かれていた歴史を知る遺跡もいくつか残されています。シチリアで2番目に大きいとされるギリシャ劇場 (Teatro Greco)もそのひとつ。観客席からは筆舌に尽くしがたい絶景が望めますが、かつてここを訪れたゲーテは、「これほどの景色を眼下におさめたものは他にいるものではない」と称賛の言葉を残しています。
ウンベルト通りから、下に降りて行ったところには20世紀初頭に作られ、後にタオルミーナ市に寄贈された美しい市民公園(Villa Communale)があります。ブーゲンビリアヤやハイビスカスが咲き乱れる楽園のような公園からも、エトナ山、地中海を見渡す大パノラマが楽しめます。
タオルミーナの町から海岸へ
タオルミーナの町は標高約200メートル。海までは実はちょっと距離があります。有名な入江、イゾラ・ベッラ(Isola bella)へは、タオルミーナ市内からロープウェイ、またはバスでアクセスします。もちろん、歩いても降りれますが相当ハードです。メッシーナ門から続くピランデッロ通り途中の展望台ベルベデーレ(Belvedere)からは、イゾラ・ベッラを眼下に望むことができるので、下まで降りなくてもという方はこちらから絶景をどうぞ。ロープウェイが下りた先、イゾラ・ベッラの手前は、海水浴客で賑わう人気のビーチ、マッザーロ海岸(Lido Mazzaro)があります。