パレードのこと
また来年8月に東京プライドパレードでお会いしましょう！
一昨年、5月に東京プライドフェスティバルが開催され、夏のパレードはお休みしました。昨年は10周年を記念する東京プライドパレードが8月に開催され、3年ぶりのパレードが成功しました。このフェスティバルとパレードを主催した東京プライドの砂川秀樹さんが故郷の沖縄に帰り、今年1月に選挙で門戸大輔さんという方が新代表に選ばれました。東京プライドとしては、パレードとフェスティバルを隔年で開催したいという方針が示されていましたので、この夏はフェスティバル開催の時期にあたります。しかし、エイヤ！と毎年勢いでやっていくかたちではスタッフに多大な負担がかかるため、体制を見直して整えていこう、みんなが無理なく参加できるようにしようということで、今年の夏は「プレリュード」以外は開催しないことになったんだそうです。また来年の8月、東京プライドパレードが準備万端で開催される予定です。（新代表・門戸大輔さんへのインタビューがこちらに載っています）
しかし、パレードが無いことを悲しく感じていたみなさんに、お知らせしたいことがあります。8月14日（日）、「パレードの原点」を感じさせるような、小さなパレードが行われるのです。
2008年、残念ながら東京のパレードが中止となりましたが、キャンディ・ミルキィさんが「夏の最大のイベント、私にとっては盆や正月より大切な日だった。ぽっかり空いてしまった夏を埋めるべく、一人でも行進します」と言って、賛同した8名の方たちといっしょに、パレードが行われるはずだった日に、同じコース（沿道）を歩きました（こちらにレポートが掲載されています）。そして今年、やはり東京はパレードが無い年ということになりましたが、再びキャンディ・ミルキィさんがレインボー祭りの日にプチパレードを行うことを発表しました。正午に代々木公園イベント広場に集合し、パレードコース（沿道）を歩きます。14時頃から新宿に移動し、レインボー祭りに参加するそうです。（詳しくはこちら）
もう1つ、パレードに関して新しい動きがありました。東京レインボープライドという団体が設立され、来年4月29日にもう1つのパレードを開催するというのです。「毎年パレードを歩きたい」という気持ちを共有する人たちが立ち上げたものだそうですが、なぜ東京プライドと別にやるのか？ なぜ4月なのか？（東京プライドと1年交代でやるようなカタチでもよいのでは？）など、さまざま疑問を感じる方もいらっしゃると思います。5月末に開催された団体設立説明会＆公開ヒアリングの模様がこちらに載っていますので、興味のある方はご覧ください。また、毎月最終日曜日に「東京レインボープライド2012 カウントダウン」というパーティが開かれていますので、質問や意見がある方など、ぜひ参加してみてください。
パレードはただ声高にLGBTの権利を主張するだけでもなく（社会的にはデモと位置づけられていますが、僕らはもっと平和的で華やかで楽しいイベントだと思っています）、ただお祭り騒ぎに終始するだけでもない、世界中で行われているコミュニティイベントです。ある僕の友達が、田舎（東北の、今年被災してたくさんの方が亡くなったような町）から東京に出てきて、初めてパレードを見たとき、言いようのない感動を覚え、涙したと語っていたことを思い出します。僕自身もそうでしたが、「自分みたいな異端者は世界中に独りだけ。誰も理解してくれないんだ」という孤立感に苛まれていた人たちが、「僕はこのままでいいんだ」「大勢の仲間がいるんだ」と思えるようになったとしたら…パレードはそんな祝祭（祝福の空間）でもあって、そういうところが本当に素晴らしいと思います。孤立しがちなLGBTの青少年の未来のためにもパレードをぜひ、とか、パレードを毎年歩きたいという「思い」が真っ直ぐでさえあれば、きっといっしょに歩いてくれる人、手を差し伸べてくれる人が現れる。そんな気がします。
8/14は、僕もキャンディさんといっしょに歩こうと思っています。これまでパレードのために尽力してきた本当にたくさんの人たちに感謝しながら。
