メーカーとゲーム雑誌の関係を、より成熟したものに
メーカーとゲーム雑誌の適切な距離感というのが、大事なのかもしれません。(イラスト 橋本モチチ)
非常にネガティブに思えるかもしれませんが、いいこともあるんです。というのは、ゲーム雑誌は、ゲームの情報がとても正確です。そう言うと当たり前に聞こえるので、逆に言うと、他のメディアのゲーム情報は、わりと不正確なことがあります。それがテレビや新聞のような大きなメディアであったとしてもです。
なんでゲーム雑誌の情報が正確なのか。専門家の集団だから、ということもあります。しかし、徹底してメーカーが確認しているから正確なんです。当然ですね。そして何故他のメディアが不正確なことがあるのか。確認を取らずに記事にすることがあるからです。そうすると、細部にポロポロと間違った部分があっても気がつかなかったりします。ゲームファンの方はニュースなどを観ていて、時々あれっと思うこと、あるんじゃないでしょうか。
そう考えると、メーカーの確認を取って取材したことに忠実に記事を書くメディアがあること自体は、ある意味で大事なことなんですね。そしてだからこそ、そういうメディアはユーザーからも信頼を得る必要がありますし、メーカーは大事にしなくてはいけません。大事にするというのは、たくさん広告を出しましょうという話ではなくて、記事の確認ができるからと言って、自分たちの都合の良い内容にばかりしようとしてはいけない、ということです。
メディアの主体性を認めず、メーカーとメディアの関係が近すぎれば、それをユーザーはしっかりと見ています。ユーザーが読まなければ、どんなにいいことが書いてあっても、意味はないんですから。
もちろん、全てのメーカーが、なんでもかんでも自分たちの都合よくなるように記事の内容に口出ししてくるわけではありません。どこまで内容に踏み込んでくるかは、本当に色々です。チェック自体は非常に厳しいんですが、社会的な責任を意識して一貫した姿勢をきちんと保つ、というような形で、線引きがはっきりしているようなメーカーもあります。それは、企業として成熟していると言えるでしょう。
ゲーム雑誌とメーカーの関係のあり方は、そうやってより成熟したものにして、より多くのユーザーから信頼を得なければいけないのかもしれません。
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