任天堂、9月中間決算で赤字に。原因はDS不振?

ゲーム業界の戦いの図

DSの売り上げが以前と比べて落ちているのは間違いありません。でもそれをDS不振と表現するのは、やや違和感があります。

任天堂は2010年10月28日に、平成23年3月期第2四半期決算を発表しました。2010年度の中間報告ですね。色々ややこしい数字がたくさんあるんですが、今回注目するのは、経常利益という数字です。本業の儲けを表す数字を営業利益といいまして、さらに本業以外で常に行っている活動、例えば金融に関わる数字なんかを加えたものを経常利益といいます。これが41億円の赤字になりました。

なんで赤字になっているか、主な要素が2つあります。1つはニンテンドーDS(以下DS)のソフトとハードの販売が急激に落ちているということ。もう1つは円高の影響。赤字の直接的な原因は円高です。任天堂は非常に多くの現金を持っている企業です。しかもそれを、日本円だけではなく、ドルだとか、ユーロで持っているんですね。なので円高になると、決算時に円換算した時に計算上の大きな損が出ます。為替差損といいますが、それが今回621億円もありました。ちなみに営業利益でみると、542億円の黒字です。ただしこれは、前年同期に比べると48%減ということでかなり落ちています。

ものすごく大雑把にいうと、DSのビジネスが大きく落ち込んだところに、円高がきて赤字になった、という状況です。

これを受けて、ニュースなどでDS不振という言葉が大きく出てきました。任天堂が赤字だけど、その原因はDSの不振なので、ニンテンドー3DS(以下3DS)を投入して巻き返しを図る、という内容ですね。しかし、DS不振というのは、ちょっと変なんですね。DSの販売は大きく落ちていますが、DS不振という表現は少し違和感があります。何故違和感があるというと、この時期にDSの売り上げが落ちるのは、当然とも言える流れだからです。

ゲームハードのビジネスサイクル

ゲームハードが走る図

ゲームハードのビジネスには一定のサイクルがありますから、今どういった時期なのかを考えながら数字を見る必要があります。

ゲームハードというのは、大体5年から6年で1つのサイクルだと言われています。ハードが発売された時期を並べるとすぐわかるんですが、ファミコンが発売されたのが1983年、スーパーファミコンが7年後の1990年、ニンテンドー64がその6年後の1996年、ゲームキューブがさらに5年後の2001年、そしてそれから5年後の2006年にWiiが発売されています。

その5年から6年ぐらいの間で、ゲームのビジネスというのは1つのサイクルがあります。コアユーザーが一気に買うことで垂直立ち上げを狙う発売初期がありまして、ソフトを揃えながらより広い層にアプローチする普及期、十分にハードが普及してソフトでの儲けが大きくなる刈り取りの時期があって、次のハードと入れ替わる末期があります。

じゃあ、DSは今どの時期なの、というとですね、DSが発売されたのが2004年、それから6年が経過してまして、2011年に後継機のニンテンドー3DS(以下3DS)が発売されることが予定されているということで、完全に末期なんですね。

それを踏まえた上で、もう一度決算のニュースを見直すと、ちょっと違う面が見えてきます。