グースネック 復権の兆し?!
グースネックのウェッジが使用されなくなった大きな理由がもう一つあります。それは、そもそも市販されているものがほとんどないということです。海外はもとより、国内のメーカーであってもほとんどがクリーブランドやボーケイのようなティアドロップ型を採用し、グースネックのラインナップが無いのが現状。ジャンボ尾崎プロ以来、ずっとグースタイプのウェッジをラインナップしていたブリヂストンスポーツでも最新のラインナップはグースタイプがありません。
ミズノでは、通常のラインナップは、「C11」というセミグースタイプのみがグースネックウェッジです。「MP Gシリーズ」というグースネックのウェッジをオーダーができます。
セミグースネックは、フォーティーンなどで採用されています。“セミ“という言葉は日本人好みのようでアイアンなどにも見受けられます。「Sフレックスだと硬すぎる、でもRだと軟らかすぎる気がする。SRがいいな」といった、微妙なゴルファー心理に通じる気がします。グースネックが、初心者向けと誤解されている側面もあるかもしれません。
マーク金井氏プロデュ―スで話題の「MSウェッジ」
中でも、今年発売されたマスダゴルフの「STUDIOウェッジ Type-G」は、マニアックなゴルフファンに大きな驚きと期待を持って迎えられました。
というのも、マスダゴルフを主催される増田雄二氏が、ジャンボ尾崎プロの全幅の信頼を受け「WOSS」や「TMJ」といったブランドの専属デザイナーとしてクラブ制作を行っていた経歴の持ち主。ジャンボ尾崎プロは、グースネックウェッジと言えば第一に思い起こされる押しも押されぬ第一人者です。ジャンボさんの厳しい目にかなうグースネックを生み出してきた増田氏が、満を持して自身のブランドでグースのウェッジを発表したということで、いやがうえにも期待が高まります。
グースネックのウェッジが作られないのは、良い形状のグースウェッジを製作するノウハウが失われつつあるという側面もあるのではないかと思います。増田雄二氏のように、グースネックで美しい形状をデザインできるクラブデザイナーはほとんど存在しないと言えるかもしれません。
海外ブランドでは、ピンの大ベストセラー「EYE2」の復刻版、「EYE2 XGウェッジ」の発表も大きなニュースです。ピンは日本にもマニアが大変多く、中でも「EYE2」は格別の人気を持ったモデルです。「EYE2 XGウェッジ」は、ルール適合溝を採用するなど現代風にアレンジしながらオリジナルを良さを残した復刻版。独特のソール形状と、グースの利いたネックとボールの拾いやすそうなリーディングエッジが特徴です。
“人間試打マシーン”として有名なクラブアナリスト、マーク金井氏も自身のモデル「MSウェッジ」を発表し、人気を集めています。チッパーのような形状が特徴のモデルですが、強いグースネックも特徴の一つです。