出生数は9月が1番多い!
次に出生数についてみてみます。同じく厚生労働省の人口動態調査結果から、2000年1月から2011年2月までの134か月分の出生数を並べて表とグラフにしてみました。死亡は基本的に時期を選べませんが、出生はある程度時期を選ぶことが可能です。ただ、それでも月ごとに不思議な特徴がありました。
資料:厚生労働省人口動態統計月報(概数)より
※年間の合計数は各月の月報(概数)からガイドが計算
上の表は毎月の出生数をまとめたものです。2000年には1,190,560人だった出生数が徐々に減少し、2005年には1,062,604人になりましたが、その後は何とか減少が止まり、2010年は1,071,306人となっています。月ごとにみると、最も出生数が多いのは2000年8月の104,052人、以下2001年10月の103,906人、2001年8月の103,177人、2000年9月の102,837人と続きます。そして下のグラフはこの表をグラフ化したものです。
資料:厚生労働省人口動態統計月報(概数)より
※各月の月報(概数)から各出生数をもとにガイドが計算
出生数でも2000年から2010年まで11年間、毎年同じような傾向が見られます。このグラフでは、年始から年末にかけてやや右肩上がりで、途中の2月と4月、6月、11月にやや谷があります。死亡数ほど人数の開きはありませんが、最も多い2000年8月の104,052人と最も少ない2011年2月の78,065人では約2万6千人の開きがあります。
季節的傾向をさらにわかりやすくするため、11年間の平均値を出し、それを月ごとに日数調整して各月の1日あたりの出生数をグラフ化してみました。
資料:厚生労働省人口動態統計月報(概数)より
※各月の月報(概数)から各出生数をもとにガイドが計算
すると、出生数では1年の中で9月が最も多いということが判明しました。合わせて1月が最も少ないこともわかりました。11年間の出生数合計では、9月よりも7月、8月、10月、12月の方が僅かに多いのですが、9月は30日しかないので1日あたりでは9月が3,190人で最多となります。
一方、最も少ない1月は平均して1日あたり2936人の出生数で、9月に比べて1日あたり254人も少なくなっています。1月は死亡数が最多で出生数が最少という、かなり嬉しくない事実が判明しました。
出生数に月ごとの違いがでる理由は何なのでしょうか?「暑い時期に妊娠生活を送るのは辛いから冬や春の出産が良い」とか「生後間もない頃が夏だと服を揃えるのが楽だから春頃の出産が良い」などは聞いたことがありますが、どちらも9月出産を肯定する理由にはなっていません。また、1年の後半は出生数が比較的多いのに11月だけは何故か少ないです。自然にそうなっているならとても不思議なことです。もし出生月を選んでいるなら、理由を知りたいところですね。
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