今、LED電球に変えようと思う人の注意点
まずは廊下やトイレなどオンオフの頻度の激しい場所から交換。ダウンライトは明るくなりすぎることも多いので、ワンランク下の明るさでも十分
今LED電球への交換を考える人は、次の項目を考慮して。
- 一度に取り替えるのは予算もかかって大変。まずは常夜灯、オンオフが激しいトイレや洗面所からトライ。
- いまと同じ明るさのLED電球をつけると、もっと明るくなることも。ダウンライトや常夜灯など、光が下方向のみに向く場所ではひとつ下の明るさで十分。
- 全体に光が広がらず、下方向だけが明るくなるLED電球もあるので、ペンダントなど電球の背面まで光を届かせるデザインの場合は、「全方向タイプ」を。
- 浴室や外灯など、電気のカバーがぴったりとかぶっている密閉型の照明器具には「密閉型対応」を。調光器具がついている照明器具には「調光機能対応」を選ぶこと。
- LEDのシーリングライトも売り出されているが、この場合は電球の取り替えはできないので注意。4万時間の寿命が来た時点で、器具自体の取り替えとなります。電球と一体となったスタンドや補助照明も同様。
消費電力ではなく、「明るさ」を減らすのが正解
消費電力ではなく「明るさ」をダウンサイジングする発想を持つと、思いがけなく落ち着いた暮らしの雰囲気が手に入ります
さて、ここでもお話したように、すでに電球型蛍光灯を使用している人は、LEDに変えても大幅な節電にはつながりません。ただ「LEDに変えればいいんだ」と思うだけでは、根本的な解決につながらないことも多いのです。ここはよく念頭において。
実は、家庭の照明を考える上で一番大切なのは、消費電力を減らすことではなくて、「明るさ」を減らすことなのです。
え? 明るくなければ快適に過ごせないじゃないか、と思う人は、以下の数値をちょっと見てみてください。
日本のオフィスの机面照度のJIS規格 750ルクス
ピンとこないかもしれませんが、これは破格に明るい規格です。ちなみに、アメリカでは同様の基準は500ルクスと規定されています。戦後の高度成長期時代、明るいことが豊かさの象徴とされてきた日本では、街も家も明るく、明るく作られてきました。このときに作られた基準が、いまだ見直されないまま現代に至り、結果、私たちは明るすぎる暮らしに、慣れてしまっているのです。
照明ダウンサイジングの醍醐味は、実はこの「明るさダイエット」にあります。次回は、具体的にどうやったら暮らしの明るさを押さえて、なおかつ快適に暮らせるかを考えていきますよ。お楽しみに!