スペイン/アンダルシア地方

コルドバ/スペイン

南スペイン周遊で外せない街の1つ、コルドバ。756年にイスラム教徒による後ウマイヤ朝の首都となった、今もなおイスラム文化の香りが漂う魅力的な街です。こじんまりとした街ですが、訪れるべき名所がたくさん。ここではそんなコルドバの魅力をお届けします。

秦 真紀子

執筆者:秦 真紀子

スペインガイド

イスラム文化が残る街、コルドバ

コルドバ

イスラム時代の大都市は、今は人口30万人弱の中小都市だ

コルドバはセビリア、マラガに続くアンダルシア地方第3の都市。ローマ帝国やイスラム教徒の後ウマイヤ朝に支配されていた10世紀ごろまでは、約100万人もが住んでいた大都市だったとか。イスラム教徒によって持ち込まれたギリシャ、ローマ時代の文献が多く残っていたことから、スペインで初めてそれらを学ぶいわば大学のような学校があり、学問の都市として栄えていました。現在は、グアダルキビル川の岸辺とモレナ山脈の麓にたたずむ中小都市ですが、その過去の繁栄振りがうかがえる名所としてイスラム教徒のモスク、メスキータなどがあります。

コルドバ一の見所、メスキータ

メスキータ

縞模様のアーチはキリスト教徒によって塗り替えられたものだそうだ

コルドバの一番の見所で西欧におけるイスラム文化の最も重要なモニュメントの1つ。現シリアのオメヤ様式、ゴシック、ルネッサンス、バロックなどキリスト教の建築様式も混合する貴重な建築物です。もともとは5~7世紀に栄えた西ゴート族の教会で、後に後ウマイヤ朝の王アブデ・ラーマンIらによって何度も増築されたそう。

メスキータは大まかにパティオ(中庭)と礼拝堂の2部分に分けられます。注目はオレンジの中庭を通りシュロの門を入ったところにある大理石と碧玉、花崗岩からなり、天井を支える75ものアーチが連なる円柱の森。アーチを支える柱は1300本にも及ぶと言われていて、その中に身を置くと異国に引きずり込まれそうな気分になりそうです。

イスラム教徒が祈りを捧げたミフラブというくぼみの部分も見どころ。通常ミフラブはメッカの方向を向いているものですが、なぜかコルドバのものは南向き。金、銀、銅、青銅で飾られた大理石、スタッコ、ヴィサンティン帝国様式のモザイクでできたミフラブの、細部の細かい模様にも目を向けてみてください。ミフラブの前にあるマクスラ(預言者ムハンマドの代理人カリフが祈ったと言われる)も必見。

メスキータの中央にある1766年に建てられたゴシック、バロック、ロマネスク様式の礼拝堂は、キリスト教独特の厳かな雰囲気が漂う部分。ここも見逃せません。

<DATA>
■Mesquita (メスキータ)
住所:C/Torrijos s/n
TEL:(34) 95 747 0512
開館時間:8:30~18:00(11~2月)8:30~10:00、14:00~18:00(日曜とキリスト教関連の祝日)10:00~19:00(3~10月)8:30~10:00、14:00~19:00(日曜とキリスト教関連の祝日3~10月)
閉館日:なし
入館料:8ユーロ
アクセス:ローマ橋から徒歩5分
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