地震保険の液状化の査定は?

地震保険の液状化の査定は?

東日本大震災では東北地方を中心に大きな被害がありました。関東地方でも被害の大きかった地域とそうでない地域がありましたが、その中で問題となっているものの一つが液状化による被害です。

液状化は、沿岸部や川沿いはもちろんですが、埼玉県のような内陸部でも被害がでています。また被害を受けた地域の中には、国や県の支援制度があるもののその対象にならないケースもあります。同様に地震保険についても、液状化で被害が発生したからといって、保険が必ず支払われるわけでもありません。

損害保険協会では、こうした状況を踏まえて、地震保険の液状化被害における査定方法の見直しをしています。今回は地震保険の液状化による査定についてお話しましょう。

地震による液状化被害ではどのような救済がある?

地震を含めた自然災害により一定の損害があった場合、国などの支援制度があります。それが被災者生活再建支援制度です。これは住宅の被害の大きさに応じて支給される基礎支援金(最大100万円)と住宅の再建方法に応じて支給される加算支援金(最大200万円)があります(両方合算して最高300万円)。

しかしこの制度の対象となるには基準があります。例えば都道府県なら100世帯以上の住宅全壊被害、市町村なら10世帯以上の住宅全壊被害があることが必要です(他にも基準がある)。

東日本大震災では、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県などでも液状化の被害が報告されています。しかしその地域で全壊と認定される住宅が少なければこの被災者生活再建支援制度の対象とならないわけです。

また住宅にも全壊や大規模半壊等被害状況に応じた段階で損害査定がされるため、自分の住む市区町村がこの制度の対象地域であっても損壊の程度によってはこの支援の対象にならないこともあります。

液状化被害があった場合の地震保険の査定の変更点

地震災害によって直接自宅が損壊した場合でも一定の基準があり、そこに該当しなければそもそも地震保険の保険金支払いの対象とはなりません。

液状化の場合には、何度傾いたかあるいはどのくらいの割合が沈下しているかなどが基準となります。例えば基礎全体が3度以上の傾斜などの場合に全損となっています。

しかし被害の状況によっては認定を受けられないことがあります。認定されないまでも、傾斜したままの家に住み続けることはできませんから状況は深刻です。こうした状況も踏まえて損害保険協会では、液状化の際の認定基準を変更しています。

これまで地震保険の損害調査では、主に地震の振動により発生した揺れによる建物の各主要構造部の損害についての損害調査方法を用いていました。しかしこの方法ですと液状化のような被害がでた場合、査定方法が実際の被害状況に合わないケースもありました。

液状化の場合、地震の揺れによる建物そのものの損害があまりないケースがあるからです。そこで液状化の被害の場合については次のように査定方法を変更しています。
地震保険の液状化の査定方法

地震保険の液状化の査定方法(出典:社団法人日本損害保険協会)

ポイントは傾斜と沈下のいずれか「高い」基準を採用することと、2011年3月11日の東日本大震災発生時に遡及適用することです。すでに東日本大震災で液状化の被害のあった物件は査定が済んでいるところも多いでしょうが、この新基準によって再度査定されることになります。

液状化被害における対応策

新基準が導入されることによって救済される人も増えてくるはずです。しかし最低限でも基準がある以上は地震保険の対象とならない人は一定数でてきますからこの点は認識しておきましょう。

この基準については2011年6月24日に日本損害保険協会から発表されています。すでに業界全体で液状化に関する査定について動き始めているようですが、不明な点があれば地震保険の加入先の損害会社に照会してみましょう。

また地震保険だけでなく、雑損控除等の税制面も含めて東日本大震災では様々な特例措置がだされていますから、これらの制度もフル活用するようにしてください。

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