実際に私も病院で使っているツール。無料でダウンロードできます。
糖尿病になると食事に注意を払うことが大切になります。しかし、食事のたびに計算したり、重さを計ったりするのは大変なことです。また、糖尿病食は難しいとか面倒くさいという声も聞かれます。私も糖尿病の患者さんと毎日話をしますが「結局のところ複雑で何をしていいか分からないから何もしてない」とか「白黒はっきりした方法を教えてくれ」と言われることも度々あります。私が実際に病院で使用しているツールも紹介しましょう。理論的なことは一切無し!
【糖尿病食・お皿ツール】ルールは簡単!
(1)お皿の半分にでんぶんの少ない野菜をたっぷり盛る
(2)お皿の1/4にでんぷんの多い食べ物を盛る
(3)お皿の1/4にたんぱく質の多い食べ物を盛る
(4)小皿に果物を盛る
(5)コップ1杯の乳製品、または小皿にヨーグルト
かなり白黒はっきりした方法です。日本でもワンプレート流の食事をする人も増えているようなので、そのまま応用できる人もいるはずです。お椀・小鉢等を使っている人でも、お皿ツールをイメージしながら分量を調整することができます。
お皿にのせる食べ物の具体例
【(1)でんぷんの少ない野菜】
ブロッコリー、きゅうり、トマト、レタス、キャベツ、カリフラワー、ねぎ、玉ねぎ、ニンジン、ほうれん草、春菊、セロリ、ピーマン、なすび、はくさい、オクラ、チンゲンサイ、小松菜、にがうり、もやし、ごぼう、大根、かぶ、にんにく、えのき、しいたけなど。海藻やこんにゃくもOKです。調理法は、炒め物、煮付け、お浸し、ごまあえ、サラダなど何でもOKです。たっぷり食べましょう。
【(2)でんぷんの多い食べ物】
米、麦、さつまいも、じゃがいも、さといも、かぼちゃ、栗、とうもろこし、パン、ホットケーキ、麺・パスタ、トルティーヤ、豆(大豆以外)など。
【(3)たんぱく質が多い食べ物】
魚、肉、豆腐、大豆製品、卵など。調理方法は、蒸し、炒め、焼き、煮付け、煮込み、生のままなどバラエティーを楽しみましょう。揚げ物は控えめに。
【(4)果物】
果物全般。量は小鉢程度に。これは省いてもオーケー。
【(5)乳製品】
牛乳は軽くコップ1杯、ヨーグルトは低糖のものを小鉢一杯分。他に豆乳でもオーケーですし、お茶やお水にしても。(4)の果物と(5)の乳製品は省いても大丈夫ですが、血糖値管理の観点からは、毎食同じくらいの糖質(炭水化物)を摂るほうが調整しやすくなります。
えっ本当にこれだけで大丈夫?
血糖値を上げる糖質(炭水化物)を含むのは上の(1)デンプンの多い食べ物、(4)果物、(5)乳製品です。それぞれ量を抑えて血糖値を管理します。更に、(3)のたんぱく質が多い食べ物も1/4皿を目安とし、(1)のでんぷんの少ない野菜をたっぷり食べることで脂質やカロリーを抑えながら全体のバランスを整えることができます。
自分のあった量に細かく調整したい場合
実際にお皿に盛る量ですが、食後血糖値が高ければ炭水化物が多い(2)でんぷんの多い食べ物、(4)果物、(5)乳製品の量を減らして調整します。食事ではなく薬やインスリンを調整してもOKです。減量が必要な場合は、全体のボリュームを1~3割減らしていきます。量の調整はあくまでも、あなた自身の血糖値や体重に合わせます。
自分にあった食事療法で食事を楽しみましょう!