夜型の生活のリズムになると、朝ごはんが食べ難くなります。
まず忙しいからと、食事を抜いてしまう習慣が続くと、必要な栄養素が十分にとれなくなってしまうことがあります。一定の時間を目安に食事をする習慣をつけることが大切です。
特に朝ごはんの重要性については、活発な食育活動が展開されて、皆さんもよくご存知かと思います。血糖は通常一定に維持されていますが、寝ている間は食事をしていませんから、朝食前というのは血糖値が低下しています。朝食を食べないと体温も上がりにくく、集中力があがらず、勉強や運動、仕事に身が入りません。朝ごはんについては、記事にまとめていますので、そちらもご参考になさってください。
また「時間栄養学」という分野では、朝食は、生体リズムを整える働きがあると考えられています。私たちの体は約25時間のリズムを持っており、これをサーカディアンリズムといいます。
このリズムをつくるのが体内時計で、主な時計遺伝子は脳の神経細胞の集合体が司りますが、心臓、肺、肝臓、腎臓、筋肉など全身の組織にも抹消時計遺伝子が存在し、全体で調和を図っているそうです。サーカディアンリズムは約25時間ですが、1日の長さは24時間で、毎日少しずつずれが生じます。これをリセットするのが朝の光であり、朝ごはんにもその役割があると考えられています。
夜遅く食べると太るワケ
夜遅く食べて時間をおかずに寝てしまうと翌日胃がもたれる、ということもありますが、寝ている間は体に蓄えていた脂肪をエネルギーとして消費します。ところが深夜に食事をしてエネルギーを多く摂取すると、エネルギーは使い切れず脂肪として蓄積します。近年「時間栄養学」などで、体のどの仕組みで太るのかということも明らかになってきました。例えば、(動物実権レベルですが)時計遺伝子のBMAL1というタンパク質が多いほど、脂肪細胞に脂肪がたまりやすくなると考えられています。BMAL1量は、午後10時から午前2時までの間が最も多い時間帯となり、その後しだいに減っていくことが分かっています。つまり昼間の時間よりも、夜遅くに食べることは、脂質蓄積を増進する可能性が高いのです。夜は、できれば午後9時から10時までには食べ終えるのが理想です。
また夜型生活が続いて睡眠不足になると、食欲抑制ホルモンのレプチンの働きが低下し、逆に食欲促進ホルモンのグレリンが活発になり、肥満につながるのではないかと考えられます。
1日3食から2食や1食にすれば、全体の食事量や摂取エネルギーが減り、体重が減らせるだろうと思うかもしれません。食事回数を減らすと次の食事までの空腹時間が長くなり、体が効率よく栄養を吸収しようとします。もしも1日の摂取エネルギーが同じでも、2回より3回に分けて食事回数を増やす方が、1食あたりのエネルギー量は少ないため、インスリン分泌量が減少し、脂肪合成が少なくなると考えられています。