『果たして今、住宅を買うべきか』
震災後も、新築マンションの売れ行きは好調
東日本大震災で、首都圏新築マンション市場も大きな影響を受けました。販売センターの一時閉鎖。建築中現場のチェックや工期の見直し、モデルルームのオープン時期や販売時期の延期など、供給戸数も一旦減少に転じました。東日本大震災で、製造業の生産ラインも止まった
こうした中で、『果たして住宅を今、買うべきか』とは、誰もが思うことでしょう。事実、震災直後から首都圏の中古マンション市場の成約件数は、徐々に回復しつつあるとはいえ、前年比で落ち込んでいます。
一方、新築マンションの市場を見ると、震災以降も初月の契約率は、70%台後半を維持しており、5月は即日完売物件が続出するなど、好調さが伺えます。
中古マンションは、やや取引が低調なのに新築マンションが好調なのは何故なのか?。そこには不動産の本質的な要素があると思います。
2011年は、リーマンショック後仕入れ用地の本格供給
好立地物件や商品企画力の高いマンションが目白押し
リーマンブラザーズが破綻したのが、2008年の9月。その後大きく経済が落ち込みました。上場リートが破綻するなど、2009年にかけて不動産取引も低調になりました。この時期に、比較的廉価に仕入れられた大規模用地のマンション供給が本格化しているのが2011年。都市部の好立地の物件も多く含まれています。ここ数年低調だった供給戸数も増加傾向にありました。震災がなければ、昨年実績を大きく超えていたでしょう。全戸即日完売した、プラウド大井ゼームス坂(野村不動産)は、りんかい線・京浜東北線・東急大井町線で結ばれた「大井町」駅徒歩4分のロケーションで、全164邸のスケール感。モデルルームで見た専有部は、玄関まわりをはじめ上質感溢れるものでした。
1期1次・2次が即日完売した、パークホームズ目黒ザ レジデンス(三井不動産レジデンシャル)は、目黒駅徒歩圏の希少な目黒川沿いのロケーション。桜並木を愉しむ立地だけでなく、ワイドスパンプラン、ハイサッシ、雁行型プランなど立地を活かした商品企画も秀逸です。
こうした、立地・商品企画面だけでなく、東日本大震災の影響を踏まえ価格設定をやや抑えて供給している面も少なからずあるのではと思います。震災直後は、来場者数の落ち込みや反響数の低下はどこの販売現場でも見られたこと。先行き不透明感から、無理のない販売計画で価格設定をする動きは出てきているのではと思います。震災後に販売をスタートした物件の方が、震災前に販売したマンションよりも進捗状況が良い印象を受けます。
昨年同様の価格設定で、立地やスペックがアップしているのであれば、中古市場に影響は少なからずあるでしょう。
不動産選びの本質は、立地の良し悪し、商品の良し悪しです。震災後に地盤や耐震性・防災機能が注目されている今、納得感あるマンション選びはしやすくなったともいえます。
次のページには、ガイドが今を買い時だと思う理由をさらに紹介します。