発売ソフト数が少ないという据え置きハードの課題
ちなみに、PlayStation2の全盛期は400タイトル以上を発売した年もありました。今、そんな据え置きハードは存在しません。
ハードの性能があがり、よりリッチで、よりボリュームのあるゲームをという傾向に拍車がかかると、開発期間は伸び、開発費は高騰していきます。しかも、追い打ちをかけるように日本の市場は携帯ハードが主流になっています。
結果、コストはかかるもマーケットは小さくなるという形で、据え置きハードへのソフト供給はどんどんリスクが高まり、発売タイトルがなかなか以前のハードのようには伸びなくなりました。
タイトルは多ければ多いほどいいというわけではないんですが、少なければ自然とお店の棚は小さくなり、メディアでの露出機会は減り、ハードの存在感は小さくなっていきます。そういった状況の中、PSPのタイトルに付加価値をつけてPS3で発売するというのは、非常に面白い試みです。これが一定の成功を収めていけば、リスクを抑えながらPS3のソフトラインナップを増やしていくことができるかもしれません。
リマスターがでるとPSP版も売れる?
PSPのソフトがPS3でも遊ばれることによって、PSPも活気づいていくことが考えられます。
例えば、お店の棚を想像してみてもらえば分かりやすいんですが、当然話題作ですからモンハンP3HDが発売される前後はポップなどを活用した特設コーナー的なものを作るお店は多いでしょう。その時、PSP版は関係ないから別の棚においたまましよう、と考えるでしょうか? 横にPSP版もおいて同時にプッシュしてもいいはずです。セーブデータが共有できることをアピールすればさらに良いでしょう。それでPSP版も売れれば一挙両得なわけですから。
ユーザーの視点に立ってみても、モンスターハンターシリーズのようにみんなで遊ぶことを想定したタイトルは、周りが盛り上がっている、遊んでいるほど買いやすくなります。そういったタイトルは、PSPリマスターをきっかけに盛り上がりを作ることで、PSP版の方も多かれ少なかれ動きがあることが予想できます。
この時、中古ばかりが動くとしたらメーカーには関係ない、と思う方もいるかもしれませんね。メーカーでもそう捉えるところはあるでしょう。であれば、このタイミングで廉価版を出す、という考え方もあるかもしれません。もちろん、実際にカプコンがそういう手を打つかは分かりません。しかし、タイミング的には丁度いい頃合いです。
何が言いたいかというと、PSPリマスターが出るタイミングは、あらゆる意味でPSP版に関しても仕掛けるチャンスになる、ということですね。こういう形で、PS3とPSPがお互いのコンテンツを上手く使って盛り上がりを作ることができれば、それは両ハードにとって強い武器になり得ます。