「ラクな姿勢=腰にやさしい姿勢」は誤り!

楽だと思う姿勢が腰痛につながることもあります

楽だと思う姿勢が腰痛につながることもあります

ビジネスシーンやプライベートのお付き合いなど、日常生活の中には、心身の緊張や疲れの原因となる刺激がたくさんあります。帰宅後や休日はせめてゆったりと過ごしたいものですね。

そこで、ちょっと思い返してみてください。

お茶を飲んでひと休みしたり、読書をしたり、パソコンで遊んでみたり……そんなゆったりした時間を、皆さんはどのような姿勢で過ごしていますか? ご自身で楽に感じる姿勢があると思いますが、ラクな姿勢が身体にも負担が少ない姿勢とは限りません。実際には腰に負担がかかってしまい、腰痛が起こりやすくなってしまうケースもあるのです。

腰の調子が良い人も要注意! 小さな引き金で起きる腰痛

ここ数年、腰痛はなかったという方でも注意が必要。休日にリフレッシュするためにのんびりとDVDを鑑賞したら、突然腰に違和感が! 翌日には動くのもつらいほどの痛みになってしまった、という患者さんもいらっしゃいました。

腰の調子は悪くないと思っていても、腰を支える筋肉に疲労が蓄積されていると、知らないうちに血流が滞り始めていることもあります。重労働をしたわけでなくても、腰痛のきっかけとなる負荷がかかることで、腰痛を発症してしまうこともあるのです。「週末はリラックスして過ごしたはずなのにどうして?」ということにならないよう、腰にやさしい姿勢のポイントを抑えて、上手にリラックスして過ごしましょう。

腰痛につながりやすい危険なくつろぎ姿勢

「この姿勢はラクなので、気づくとこの座り方をしています」と患者さんがよく言われる座り姿勢は、多くの人のくつろぎ姿勢と似ています。ただ、同じ姿勢でも、くつろぐ場所が、フローリングにカーペットや座布団を敷いた上なのか、柔らかいソファなのか、リクライニングチェアなのか……といったことで、腰への負担は違ってくるものです。腰部を支える筋肉や関節などが悲鳴をあげやすい、よくあるNGケースをいくつか挙げてみましょう。

■フローリングやカーペットでの危険なくつろぎ姿勢
フローリングやカーペットは姿勢も自由に変えやすく、寝そべってゴロゴロ過ごしたい人には心地よいもの。くつろぐのに適した点がある一方、少し間違えると、残念な結果になることも。

1. うつぶせでの読書姿勢
うつ伏せでの読書は、腰の関節に負荷をかけることがあります

うつ伏せでの読書は、腰の関節に負荷をかけることがあります

ラクなようでいて、後から腰痛や頸部痛、肩こりを招きやすい要注意姿勢。反り返るような姿勢を続けることで、腰部や骨盤とのつなぎ目付近に負担がかかりやすくなります。

2. あぐらや横座りの姿勢
あぐら、横座りをする人も多いようです。とてもラクに感じるあぐらの姿勢は、腰部をはじめ背中が丸まりやすく、結果的に腰部を支える働きが低下する恐れがあります。

横座り姿勢は、両下肢を左右どちらかへ向けて座りますが、これは背骨の乗っている土台部分と腰の骨が傾いた状態。腰部は不自然な状態を強いられ、姿勢を維持すること自体が疲労につながってしまいます。

3. 頭を手で支えての寝転がり姿勢
既に骨盤の関節やお尻の筋肉に問題ありの人は症状が出るかもしれません

既に骨盤の関節やお尻の筋肉に問題ありの人は症状が出るかもしれません

横になってテレビを観るときなどに多い姿勢。肘を床について手で頭を支え、体はリラックス状態です。この姿勢は、骨盤の関節に負担がかかっている人の場合、さらに負担をかけやすくなるため、注意が必要です。


■椅子やソファでの危険なくつろぎ姿勢
1. ソファでの沈みこみ姿勢
ゆったりとしたソファは、全身の力を抜いてリラックスできるため、心地よく感じる人も多いようです。しかし座って何かをする場合は、お尻の沈み具合によって、腰部に違和感を覚えることがあります。

また、テーブルの高さがソファと体に対して合わない場合が多いため、ソファに座りながら、ノートパソコンをテーブル上に置いて作業をしたり、食事をする場合などには、身体に無理な負荷をかけることになってしまいます。

2. デザイン性重視のイスに座る 姿勢
スマートなデザインの椅子は、部屋に置くだけでも雰囲気が変わり人気があります。しかし、デザイン重視の椅子の中には、背もたれや座面の角度が腰部に負担をかけやすく、座った時にフィットしない感覚のものも少なくありません。また、座面が硬すぎて、ゆっくりと座っているのに適さない椅子もあるようです。これらも腰などに余計な負担をかけてしまいます。

腰への負担も抑えてリラックス! くつろぎ姿勢の5ポイント

1. 腰の負担をなるべく少なくし、座ってゆっくり過ごしたいものですね。すべての座り方に共通して言えることは、同じ部位に負担をかけないために、同じ姿勢でいることは避ける、ということです。

 

後方へ手をつき両膝を横へ倒し腰周りのストレッチです

後方へ手をつき両膝を横へ倒し腰周りのストレッチです

2. 楽なように感じる姿勢でも、腰部の筋肉が血行不良に陥り、疲労が蓄積され腰痛を起こしやすい状態になる場合もあります。

フローリングなど、下に座る場合は途中で、両膝を軽く曲げて、ゆっくり左右へ倒し腰周辺のストレッチをするのも良いと思います。片側約5~10秒ずつ行いましょう。

 

正座は腰の負担が少ないので下肢が楽なよう工夫します

正座は腰の負担が少ないので下肢が楽なよう工夫します

3. また、座布団を写真のように、お尻の下に敷いて座ると、腰の負担が軽減されますので、そういった姿勢の変化をつけながら、過ごしてみてはいかがでしょうか。

座布団が無い場合は、クッションや重ねたバスタオル、正座用の椅子などを使うことができます。

 

4. ソファではお尻が沈み込みすぎないように、座布団や平たいクッションなどで適度な柔らかさに調整します。時々腰の部分にクッションを入れて伸びをしてみましょう。

5. 椅子などに腰をかける場合は、足を組むことも骨盤を歪め腰への負担を強めますのでご注意ください。特に、いつも同じ側を組んでしまう、という人は普段の姿勢でも傾きがちになるかもしれません。

くつろぎやすい姿勢には、人それぞれお気に入りのものがあると思います。些細なことですが、腰痛は生活習慣の影響を受けやすいので、小さな工夫を積み重ねることが大切。腰への負担をなるべく軽減させながら、ゆっくりとリフレッシュできるのが、長い目で見ても理想的なくつろぎ姿勢だと思います。

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