スタンダードを確立した老舗ブランド

4代目当主のローター・ファーバー

4代目当主のローター・ファーバー

もともと家具職人だったカスパー・ファーバーが鉛筆職人に転身したのは1761年のこと。地元商人との取引からスタートしたが、その評判は自然と広まっていった。息子のアントン・ヴィルヘルム・ファーバーが2代目として事業を引き継ぐと、ドイツのシュタイン郊外に移転し、数年で工場へと発展。その場所が現在の本社所在地ともなっている。「A.W.ファーバー」を会社名として登記したことで、世界最古の鉛筆製造メーカーともなった。

さらに4代目のローター・ファーバーは、すべての自社製鉛筆に“A.W.Faber”と刻印し、世界で初めてのブランド鉛筆を誕生させている。“fabrique fondée en 1761”(=1761年創業)とフランス語で加えたアイディアも当時としては画期的で、品質や信頼の証として付加価値を加えた。また、今では一般的に知られる鉛筆の長さ、太さ、六角形の形、HBやBといった硬度の基準もこの時に確立している。

ローター・ファーバーはさらに、近代的な事業設備、企業の社会保障制度なども確立した先駆者。そうした功績が認められ、1862年にはドイツ・バイエルン州の貴族(男爵)に任命された。その後、ドイツの最も古い貴族であったカステルリューデンハウゼン家と血縁関係となり、両家を合わせた“ファーバーカステル家”という新たな伯爵家が誕生した。


次のページでは、さらなる歴史とブランドの代表的モデルを紹介する。