スタンダードを確立した老舗ブランド
4代目当主のローター・ファーバー
さらに4代目のローター・ファーバーは、すべての自社製鉛筆に“A.W.Faber”と刻印し、世界で初めてのブランド鉛筆を誕生させている。“fabrique fondée en 1761”(=1761年創業)とフランス語で加えたアイディアも当時としては画期的で、品質や信頼の証として付加価値を加えた。また、今では一般的に知られる鉛筆の長さ、太さ、六角形の形、HBやBといった硬度の基準もこの時に確立している。
ローター・ファーバーはさらに、近代的な事業設備、企業の社会保障制度なども確立した先駆者。そうした功績が認められ、1862年にはドイツ・バイエルン州の貴族(男爵)に任命された。その後、ドイツの最も古い貴族であったカステルリューデンハウゼン家と血縁関係となり、両家を合わせた“ファーバーカステル家”という新たな伯爵家が誕生した。
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