世界中で大ヒットした、ポルシェ社にとっての孝行息子

気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はポルシェボクスター(旧型)を取り上げたいと思います。ポルシェの「エントリーモデル」とはいえ、ポルシェの看板をしょってるし、セダンやミニバンに比べて圧倒的に台数の少ないオープン2シーターですから、値落ちがなかなか進みませんでした。とはいえ、最近は時々100万円を切るものまで出てくるように。こうなると、マツダロードスター(現行)やホンダS2000(絶版)よりも安くなってしまうわけですから、そろそろ熟してきた感があります。

ポルシェボクスター フロント

全長4315mm×全幅1780mm×全高1290mmというサイズはライバルたちより大きいものの、切れ味のある軽快な走りが楽しめます。水冷式の水平対向6気筒DOHCエンジンは最高出力204ps(デビュー時)。タイプ996より先に水冷式を採用しました

デビューは1996年10月。ご存知のように、マツダのユーノスロードスターがまいたライトウェイトオープン2シーターというタネは、メルセデス・ベンツでSLKとして、BMWはZ3、そしてポルシェではボクスターとして花開いた時期です。とはいえ他の3台に比べて大柄で、とても「ライト」ではないのですが、それでも唯一のミッドシップオープンカーという魅力がありますし、なによりポルシェと言えばの水平対向エンジンを搭載しています。

それまでのポルシェは「911の呪縛」というか、とにかく911以外はなかなか売れませんでした。968や928などのFR勢が惨敗し、「911と同じRR(リアエンジンリアドライブ)しか売れないんじゃないか」と思われていたほど。ところがこのミッドシップのオープン2シーターは世界中で大ヒットしました。ですから後継モデル(つまり現行型)が登場したのはもちろん、そのクーペボディであるケイマンもデビュー。さらに言えば、このボクスターのブレイクでカイエンが出て、これまたヒット。ついには4ドアのパナメーラまでデビューするわけですから、ボクスターはポルシェ社にとって大の孝行息子なわけです。

ポルシェボクスター リア

エンジンがミッドにあることで、ラゲージは前後に用意され、2シーターとしては十分な250Lというラゲージ容量を確保。またボディカラーは12色、幌も3色(デビュー時)用意されるなど、オープンカーらしく鮮やかな色を選べます

運転席&助手席の後ろに据えられた6気筒水平対向エンジンは、当初2.5Lを搭載。後にデビューする911(タイプ996)との差別化を考えられ、あえて小排気量に抑えられたのですが、「小排気量」っていっても2.5Lですから、車重1270kg(5MT車)には十分すぎます。またライバルの中で一番排気量の大きいSLKの2.3Lよりもアドバンテージがあるわけです。その後1999年10月に2.5Lはは2.7Lへと変更され、同時に3.2Lモデルが追加されています。ミッションは5MT(3.2Lは6MT)と5AT(いわゆるティプトロニックです)。

ライバルたちより多少高めの(ロードスターから見たら随分高い)595万円スタートというボクスター。とはいえ約1000万円した911より400万円近く安く買えるわけですから、確かに大ヒットしてもおかしくはありません。ましてや中古車では、原稿執筆時点で105万円(2000年式/9.3万km/修復歴なし)から買えるのですから。

次ページで、お手頃になってきたボクスターの魅力をさらに探っていきましょう。