大恋愛の末のプロポーズが理想?
プロポーズは、恋愛の最高潮の瞬間?
結婚式の披露宴や2次会では、感動的なプロポーズのエピソードが披露されることがよくあります。会場は、20代の未婚女性を中心に大いに盛り上がります。「彼が自分に、生涯の愛を約束する」時こそが、恋愛の最高潮の瞬間と多くの人が信じているからです。
誕生日やクリスマスなどの記念日に、彼から「突然のプロポーズをされる」というドラマのようなワンシーンに憧れる女性の多くは、きっと「恋愛のゴールは結婚だ」と信じていることでしょう。
ひと昔前、「お見合い結婚」が主流の時代、周りで恋愛している人は少なかったので、恋愛のない人生を当たり前のこととして、多くの人は現実を受け入れていました。映画や小説の中での仮想恋愛で我慢していました。淡い恋心を思い出として、現実的な結婚を選択するケースも少なくありませんでした。
しかし、恋愛が特別な嗜好品ではなくなり、大恋愛の末のプロポーズが理想とされる現代では、昔のように恋愛や結婚で妥協するのが難しくなっています。
恋愛と結婚は関係ない?
恋愛と結婚の関係を考察するために、まず、結婚というものを歴史的に見てみましょう。
「結婚の最大の理想と幻想―四位一体幻想―」の回でも述べたように、結婚と恋愛は、元々は別の要素でした。結婚は、当人の意思より、親や親戚によって相手や時期は決められ、近代になるまで、結婚の理由に恋愛の要素が、ほとんどない時代がありました。日本でも、一昔前までは、お見合いによる結婚が主流でした。いわゆる「恋愛結婚」が「お見合い結婚」を上回ったのも、統計によれば、1965年から。その後、「恋愛のゴールが結婚」という観念がより強固になっていきました。一方、恋愛の相手と結婚相手とは条件や基準が違うという見方や「結婚は恋愛の墓場」だという意見も古くから存在しています。