マンション物件選びのポイント/マンションの内装・設備・向き

フローリングのマンションを選ぶときの注意点

最近室内の床仕上げ材として人気が高いフローリング。お掃除しやすく清潔を保ちやすいことや、木の持つ質感や風合いを好まれて採用が増えています。しかし音が響きやすいなどマンションのような集合体では特に注意すべき点もあります。今回はフローリングのマンションを選ぶ時の注意点をまとめます。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

木のぬくもりや自然の風合いが人気のフローリング

マンションは多くの世帯が住む集合体なので音への配慮が欠かせません。

マンションは多くの世帯が住む集合体なので音への配慮が欠かせません。

ホコリが目立つためお掃除しやすく、また木の持つ暖かさや自然の風合いが好まれるため、最近では住まいの床材にフローリングが人気です。日本で従来からある床(畳)に座る生活スタイルからイスやテーブルを置く洋風な生活が浸透してきたこともフローリングの採用が増えてきた理由のひとつです。

ところがマンションの場合、フローリングだと足音が気になります。フローリングはこれまでの主流床材だったじゅうたんや畳よりも音が響きやすいため特に集合住宅では気をつけて取り入れなければならない床仕上げ材です。

マンションに向くフローリングの種類

フローリングにもさまざまな種類があり、木質感や足裏の感触が優れているのはなんといっても無垢フローリング(単層フローリング)です。しかしマンションでは「遮音性能」が大切なポイントになってくることから合板フローリング(複合フローリング)の遮音タイプが採用されることが多いようです。

複合フローリングとは複数の板を接着剤で張り合わせ、表面に天然木の薄板を貼りつけたもので、表面の板の厚さによっては無垢フローリング同等の質感・高級感を持つものもあります。無垢材よりも反りが少なくキズや水気に強いという特性があります。

マンションでフローリングにリフォームする時

マンションでは管理組合などで細かい規定を作っていることが多く、そもそもフローリングへの張り替えを禁止しているマンションもあります。もし張り替えが可能でも、遮音性能の証明書を求められることがあります。どうしてもマンションの床を無垢フローリングにしたい時は専門家に相談してみましょう。

フローリングの遮音性能

フローリングのマンションを購入する時、またはリフォームする時は、どのような遮音等級のフローリングが使われているか(使えるか)をチェックしましょう。

【L値一覧表】L値とその値が示す遮音性能の目安。音には重量床衝撃音(LH)と軽量床衝撃音(LL)があります。(出典:日本建築学会)

【L値一覧表】L値とその値が示す遮音性能の目安。音には重量床衝撃音(LH)と軽量床衝撃音(LL)があります。(出典:日本建築学会)


フローリングの遮音性能はL値で表されます(【L値一覧表】参照)。このL値は振動音または実際に聞こえる音のレベルを表します。Lの後に続く数字が小さいほど遮音性能が高くなります。小さなお子さんのいるご家庭ではL-45またはL-40のものをお勧めします。

注意すべき部屋とそうでもない部屋

音の問題が発生しやすいのは家族のだんらんや睡眠など「静けさを重視する部屋」です。マンションの遮音問題で重視すべきは「リビング」「寝室」「子ども室」といった居室(※1)です。

キッチンも居室ですが、キッチンは料理やその後片付けなど自分自身も音を発生させる部屋なので、騒音問題が発生しにくいと考えて良いでしょう。

また、それ以外にも病人がいる、受験生がいるなど上下階に住む住人の個別事情にも十分配慮が必要です。中古マンションを購入する場合は事前に上下の住人の様子を売り主に聞いたり、新築の場合は販売会社にヒアリングするなど調べておくことをお勧めします。

(※1)居室とは…住まいの中では一定以上の時間継続して使用する部屋を指します。リビング、ダイニング、キッチン、子ども室、寝室などが該当し、トイレ、浴室、洗面室などは含まれません。

引き続き次ページでもフローリングのマンションを選ぶ際の注意点を挙げます。
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