助成金・補助金/人材採用に関する助成金

被災地の雇用を促進する助成金(震災対応特例措置)

今回の震災により多くの雇用が失われました。国は「日本はひとつしごとプロジェクト」を策定し、被災地の雇用を全面的にバックアップする施策をスタートさせました。その中に、被災離職者の採用に関する助成金、新卒・既卒の学生・生徒の採用に関する助成金があります。被災地の1日でも早い復興を願いながら、これらの助成金の活用法について紹介させて頂きます。

本田 和盛

執筆者:本田 和盛

企業の人材採用ガイド

被災地の雇用をバックアップするプロジェクトがスタート

被災地を応援するプロジェクト

被災地を応援するプロジェクトがスタートしています

被災地では震災や津波、それに伴う原子力発電所の事故によって、廃業や休業に追い込まれる企業が増加し、多くの雇用が失われました。厚生労働省のまとめでは、震災発生以降、岩手・宮城・福島の3県だけで69,628人の離職者が発生しています(震災を理由とした雇用保険被保険者の離職・休業の届出数:2011年4月29日現在)。

また今春入社予定だった学生・生徒が、採用内定先の企業から内定取り消しを受けたり、自宅待機を命じられています。そこで国は「日本はひとつしごとプロジェクト」を策定し、被災地の雇用を全面的にバックアップする施策をスタートさせました。

今回は「日本はひとつしごとプロジェクト」の中で、被災地の離職者や新卒・既卒の学生をバックアップする助成金をご紹介します。

被災離職者を採用することで被災地を応援する

高年齢者、障害者等の就職困難者を雇い入れる事業主に支給される助成金に「特定求職者雇用開発助成金」があります。今回はこの助成金が特例措置(被災者雇用開発助成金)で、被災地の離職者の方も対象となりました。

被災した方を雇用することで、被災地を応援したいと考えている事業主の方には朗報です。なお「特定求職者雇用開発助成金」については、「使える助成金の見つけ方と活用法」をお読みください。

■対象事業主
東日本大震災によって離職した方や、被災地域に住んでいる求職者を雇い入れる事業主が対象です。

ただしハローワークなどから紹介を受けた方で、継続して1年以上雇用することを前提に採用する必要があります。また雇用保険の一般被保険者になるので、1週間の所定労働時間が20時間以上であることも条件となります。

■雇用対象者
次の(1)、(2)のいづれかに該当する労働者を採用することになります。

(1)下記の3つの要件全てに該当する方
  1. 東日本大震災発生時に「被災地域」で就業していた
  2. 震災後に離職し、その後安定した職業に就いていない
  3. 震災により離職を余儀なくされた
     
(2)下記の2つの要件全てに該当する方
  1. 被災地域に居住する方(震災により被災地域外に住所または居所を変更している方を含み、震災の発生後に被災地域に居住することとなった方は除く)
  2. 震災後安定した職業に就いていない

    *「被災地域」: 震災に際し、災害救助法が適用された市町村(東京都を除く)

■支給金額
雇い入れた方の賃金助成という形で、2回(雇入れ後、6か月ごとに2回)に分けて支給されます。助成期間は1年間です。

大企業と中小企業で金額が変わります。また雇い入れた方が短時間労働者(所定労働時間が20時間以上30時間未満の者)である場合は、支給金額が少なくなります。

■大企業50万円(短時間労働者は30万円)
■中小企業90万円(短時間労働者は60万円)

■ その他の留意点
この助成金は、短時間労働者(パート・アルバイト)の採用にも使えます。ただし、1年以上継続して勤務することが見込まれる場合でなければ支給対象となりません。
その他の支給要件は、「特定求職者雇用開発助成金」の支給要件と同じです。「使える助成金の見つけ方と活用法」を参照下さい。
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