知らないと損する助成金を紹介!

就職困難な人材を従業員として積極的に雇用するなど、国の政策に協力する企業には助成金が支給されることがあります。知らないと損する、助成金制度の基礎知識について解説します。

助成金と補助金の違い

厚生労働省

助成金は厚生労働省関係が多い

助成金とは、国や公的機関(国の外郭団体など)が企業に対して行う金銭給付のことです。国や公的機関が、企業や個人に対して支給するものに補助金や奨励金と呼ばれるものがあります。助成金と補助金・奨励金との間には明確な区分はありませんが、一般に助成金という場合、厚生労働省が所管する雇用分野の公的助成金制度を指す場合が多いです。

補助金という場合は、厚生労働省以外の団体(経済産業省所管が多い)が支給するものを指します。経済産業省所管の補助金は、斬新なアイデアで起業したり、革新的な技術を導入した場合に支給されるものです。厚生労働省の助成金に比べ一般に対象となる事業規模が大きく、受給できる金額も大きいですが、審査が厳しく簡単には受給できません。

また中小企業向けの助成制度として、販路開拓、新製品開発などに対する費用の一部助成制度があります。

■補助金の例 補助金の中には、社会の要請に応える個人を対象としたものもあります。自宅にソーラーパネルを据え付ける、段差をなくすなどバリアフリーに改築工事をすると、自治体から費用の一部が支給されます。

厚生労働省の助成金は返済不要

厚生労働省管轄の助成金は、国の雇用政策に連動した施策を実施する企業に対して支給されます。逆に言えば、厚生労働省は助成金制度を通じて、自らの政策が実現するように企業を誘導しているのです。

現在のホットな政策課題は非正規問題です。
企業が正社員の雇用を抑制し、足りない人手を非契約社員、派遣、アルバイト等の正規労働者で補う労務政策をとり続けた結果、非正規労働者の数は1,956万人(2015年1~3月期、労働力調査)となり、20年前(1995年:988万人)の倍近くにまで増えています。

全雇用者に占める非正規の割合も、37.6%(1995年:0.8%)と3分の1を超えています。

そこで現在、非正規労働者を正規雇用へ転換する企業に対する助成金が拡充されています。

助成金は、定められた一定の要件を満たせば、所定の額を受給することができます。また融資とは違うので、受給したお金を返済する必要はありません。助成金額も、数百万円から数千万円規模になる場合があります。そういう点では助成金をうまく活用することが、経営上も重要になってきます。

助成金が活用されていない理由

資金調達

助成金は資金調達の重要な手段

しかし、多くの企業では助成金をうまく活用できていないようです。主な理由は下記のとおりです。

  1. 助成金制度の存在自体を知らない
  2. 助成金という制度は知っているが、どういう助成金を活用したらいいのか分からない
  3. 助成金制度が頻繁に変わるのでフォローできていない
  4. 助成金の受給手続きが複雑で面倒

助成金制度は確かに一見複雑で分かりにくいものですが、ポイントを押さえて情報収集すれば十分活用できるものが見つかります。私のところには経営者の方からいろいろな相談が持ち込まれます。アドバイスの中で一番喜ばれるのが助成金に関する情報提供。返済不要で多額の資金調達ができるのですから当然です。

本来なら数百万円の助成金が受給できる要件を満たしているのに、経営者が助成金制度を知らなかったために、資金不足で倒産したというケースも実際に起こっています。今後中小企業経営者の方は、自社の資金繰り戦略の中に助成金を取り入れていく必要があるでしょう。

助成金に関する情報収集方法

助成金制度は生ものと言われます。雇用動向など、その時どきの経済状況に対応した新しい助成金の創設、助成額の増額が頻ぱんにあるからです。また予算が決まっているので、知らない間になくなっているということもあり得ます。

助成金に関する情報は、厚生労働省や都道府県労働局のホームページにアップロードされますので、経営者や担当者は普段から目を通すようにしましょう。

■助成金の情報源の例

助成金の財源は雇用保険の保険料

助成金の財源のほとんどは、雇用保険の保険料です(一部障害者雇用納付金から支出されるものもあります)。

雇用保険の保険料率(平成28 年度)は、ほとんどの事業で被保険者の賃金の1.1%(建設業など一部異なる業種もあります)です。このうち労働者の負担が0.4%、残りの0.7%は事業主の負担。事業主が労働者より多く負担する0.3%分が、助成金の財源です。つまり、助成金は事業主が拠出する保険料で成り立っているのです。

事業主が拠出した保険料は、失業給付などの支払いに回るほか、雇用保険2事業の運営費に充当されます。雇用保険2事業とは「雇用安定事業」と「能力開発事業」の2つです。それぞれの事業目的に応じた助成金が用意されています。
  • 雇用安定事業:失業の予防、雇用機会の増大などで雇用の安定を図る事業
  • 能力開発事業:労働者の職業訓練や能力開発を行う事業

助成金を受給するには一定の要件を満たす必要がある

助成金は雇用保険の適用事業所の事業主のうち、一定の要件を満たした事業主に支給されます。雇用保険や労災保険といった労働保険の保険料を滞納していたり、過去に助成金を不正に受給しようとした事業主には支給されません。一般に次のようなケースでは助成金は支給されません。

■助成金が支給されない場合
  • 労働保険を滞納している場合
  • 過去3年以内に不正な行為により助成金を受給した、または受給しようとしたことがある場合
  • 助成金の申請期限が経過してから申請がなされた場合
なお上記以外にも、助成金によっては不支給事由(支給されない理由)が定められている場合がありますので、都度確認する必要があります。

助成金は中小企業に手厚い

助成金は基本的に中小企業に手厚くなっています。大企業よりも中小企業の助成率が高い(受給できる額が大きい)助成金や、中小企業でなければ受給できない助成金もあります。

なお、中小企業の規模は業種ごとに決まっています。下記の表の資本金などの額か、労働者数のいずれか一方に該当すれば中小企業として扱われます。また「常時使用する労働者の数」には、原則として雇用保険の被保険者とはならない所定労働時間が短い(週20時間未満)労働者の人数も含めます。

中小企業の規模要件が変わる場合もあります。
職場定着支援助成金(中小企業団体助成コース)」では、上記の原則に加えて、次表の「資本金または出資額」か「常時使用する労働者数」のいずれかを満たす場合も「中小企業」に該当するものとして取り扱われます。

中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金」の場合は、業種や資本金または出資額にかかわらず「常時使用する労働者数」が300人以下である企業が「中小企業」に該当するものとして取り扱われます。

規模要件

中小企業の規模要件には注意が必要





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