実践で役立つ丁寧な解説
写真1.超実践的「住宅照明」マニュアル
住宅照明を選んでいると、「この灯数では暗いのでは?」「どの高さに取り付ければいいのかな?」「他にもっと良い照明手法は?」など迷ってしまうことが多々あります。そんな時に役立つ実用書、超実践的「住宅照明」マニュアル(福多佳子=著 エクスナレッジ社)をご紹介します。
著者の福多佳子は、弊社(
中島龍興照明デザイン研究所)の取締役として照明設計の実務を行いながら、横浜国立大学で研究活動を行っています。研究は照明による心理的効果や、高齢者の視覚に配慮した照明計画、光害を防止した適正な夜間照明環境の提案など、実務に役立つテーマを扱うことで、より良い照明を追及しています。また、一級建築士として建築や土木にも造詣が深く、多岐に渡って活躍しています。
図1.「レストラン風」全点灯した様子
本の内容は、照明の大原則から始まり、1章では、ランプや器具の種類、間接照明の収まり(遮光板の寸法や、効率良く明るく出来る照明例)や器具の取付け高さやピッチの出し方、スイッチの種類まで細かく掲載されています。
2章は、リビングやキッチン、寝室、浴室、トイレ、屋外など空間ごとの照明の考えかたをご紹介しています。和室の演出例や、成長に合わせた子供部屋の照明など、生活行為に合わせた照明設計のポイントがわかり、様々な演出方法をご紹介しています。
図2.明るさをおさえた団らんのシーン
3章では、「ワンランク上の照明計画」と題して、同じ間取りの部屋で、照明とインテリアを変えたリビングダイニングの例をCGでわかりやすく紹介しています。例えば、カジュアルな「カフェ風」、高級感のある「レストラン風」(図1、2)、洗練され雰囲気の「モダン」とインテリアに合わせて照明手法を変えています。また、団らんや食事、テレビ鑑賞など生活シーンに合わせて、点滅や調光し、照明を変化させることで様々な雰囲気を演出することができます。
次のページでは「一目でわかる照明計画のノウハウ」についてご紹介します。