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安全に肉を食べるには?食肉の危険性と家庭での注意点(2ページ目)

近年食肉の生食による食中毒が増えていますが、提供する側だけでなく、私たち消費者もきちんと肉について知っておきたいものです。肉の食べ頃や温度管理など、家庭でも考えるべき食肉のポイントについてご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド


食肉の安全性はどう守られている? 各工程での検査

日本では、家畜の生産から、と畜・解体、部分肉加工、流通、消費に至るまで、食肉の安全性確保と品質保証(表示)のために、様々な検査が行われています。安全な食肉を口にできるまでにされている検査内容も、ざっと把握しておきましょう。

生産農場での検査
食肉の安全性を確保するためには、まず健康な家畜や家禽を飼育することが重要とされています。宮崎県での口蹄疫で見られたように、重大な感染症が発生すると、「家畜伝染病予防法」という法律に基づいて、感染の拡大を防止するための措置が義務付けられています。

さらに、家畜の治療や飼料に添加される動物用医薬品(抗生物質など)、飼料添加剤など、食肉への残留基準も規制されています。

■ と畜・解体、食肉処理の現場での検査
牛や豚などのと畜場法や食品衛生法により衛生管理が規定されています。と畜場に搬入された家畜は獣医師により、と畜前の生体検査、と畜後、解体前のと体検査、解体中の内臓検査、および解体後の食肉検査が行われます。

こうした検査で疑わしい場合、病理学的、微生物学的、生理化学的試験などによる精密検査が行われ、異常が認められた場合、その程度により解体禁止、全部廃棄、一部廃棄などの措置が行われます。

食肉流通センターでの検査
と畜場から出荷された枝肉をカット、骨抜きして部分肉(ロース、もも肉など)ごとに包装され、スーパーマーケットや小売店、飲食店に出荷されます。その他、舌や内臓などの副生産物も処理・加工され出荷されます。

鶏などの食鳥肉は、食鳥処理場でと鳥・解体およびカット工場まで一貫して生産されているものが多いようです。食鳥検査は獣医師である食鳥検査員によって生体検査、と鳥後の脱羽後検査、内臓摘出後検査などが行われます。

小売店・量販店での検査
食肉は、低温管理をすることで細菌などの増殖を抑えることが重要で、冷凍肉は-15 ℃以下、生鮮肉は0~5℃以下の状態で管理されています。

部分肉加工処理、流通、市販品などは、保健所の食品衛生監視員により、監視・指導が行われています。

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