心臓部は、新世代パワーユニットの3.7L DOHCエンジンで、吸排気独立式の可変バルブタイミングが装備されている。スペックは309ps/380Nmと十分だが、感覚的には300ps超ほどとは思えない。とはいえ、2030kgという重めのウェイトを動かすと考えると十分に納得できるし、高速道路をハイペースで巡航してもモアパワーを実感させられることはなかった。フルオート4WDになるMKXは、FFベースでスリップを検知するとリヤにも駆動力を伝えるタイプ。少し気になったのはパワステの設定だ。停止時から発進して交差点を曲がる際は、重さとフリクションを感じるのに、高速走行時は中立付近の安定性に欠けるように感じた。「低速は軽く、高速時は重く」が運転しやすさだと思うのだが。
滑らかな乗り心地
走りの面で感心させられたのは、乗り心地の良さと静粛性の高さだ。前者は欧州のプレミアムSUVと遜色ないどころかアドバンテージも感じさせる。重厚すぎず軽すぎず、フラットな姿勢を保つ。後者は630万円という価格を考えると想定内だが、高級ブランドにふさわしい静かさを実感できるはずだ。
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