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乗り心地最高でユニークなC4ピカソが100万円台

シトロエンは昔から“不思議な車”を作ってきましたが、これもそんな一台。3列目まで備わっているので、日本ではミニバンとしてひとくくりにされますが、私から見たら長距離ツアラーで荷物をたくさん積める車です。それが100万円台に突入してきたのです。

籠島 康弘

執筆者:籠島 康弘

中古車ガイド

シトロエンならではの乗り心地とインテリア

気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はシトロエンC4ピカソ(旧型)を取り上げたいと思います。私は独身ゆえ、本来ミニバンなんてまったく必要ないのですが、これは試乗したときに欲しい!と思った一台です。とはいえ新車時価格は345万円。そう簡単に手の出せる価格ではありませんでしたが登場して間もなく5年。いよいよ200万円を切った中古車が流通しはじめています。

シトロエンC4ピカソ フロント

全長はトヨタウイッシュと同じ4590mm、全幅はトヨタエスティマより30mm広い1830mmで、全高はエスティマより45mm低い1685mm。ですからスタイルはエスティマの前後をギュッと縮めた感じです。左右が広く感じられます

デビューは2007年6月。当初は2Lガソリンエンジンに6速のセミオートマチック(EGSと呼ばれています)または普通の4ATを組み合わせたエクスクルーシブのみでした(価格は6速セミオートマ、4ATとも345万円)。その後2008年1月に、装備を一部省略したベースモデルが追加され、さらに2009年1月には1.6Lディーゼルターボのみの設定となます(価格はいずれも377万円)。2010年にはミッションを6速セミオートマチックに一本化し、2011年2月にはフロントやリア周りのデザイン変更などが施されています。

この車のどこがよかったって、まずは乗り心地です。リアのみエアサスなのですが、これが効いているのか、とにかくまぁどこまでもスーッとフラットに心地良く走るのです。シトロエンと言えばハイドロニューマチック(現行C6はハイドラクティブIIIプラスに進化)という独特な足回りが「魔法の絨毯」と評されますが、これもそれに勝るとも劣らない乗り心地です。

シトロエンC4ピカソ インパネ

左右独立式エアコンのスイッチは運転席側と助手席側のそれぞれAピラーの根本付近に。助手席側の人は自分で温度調節するというわけです。またセンターのエアコン吹き出し口下のふたを開けると、ラジオ&CDプレーヤーが現れます。もちろんステアリングでの操作が可能

ただし、それだけならばC5やC6などハイドラクティブIIIプラス搭載車でいいわけですし、そもそも私は2年間ほど中古車のエグザンティアに乗っていましたから、魔法の絨毯は経験済み。さらに先述したように独身者ですから、今さらわざわざミニバンのC4ピカソを買う必要なんてありません。それでも欲しいと思えたのは、乗り心地に加えてインテリアが刺さったからです。

特に個人的に気に入ったのが、ATシフトとメーターです。ATシフトはいわゆるステアリングコラムなのですが、これがいわゆるトラック系のそれとはまったく別物で、往年の名車シトロエンDSのように、非常に上品なもの。細くて、乱暴に扱ったら折れるんじゃないかと親指と人差し指でつまんで操作したくなるようなシフトなのです。いっぽうでメーターは中央のセンタースクリーンに配され、速度計はデジタル数字が、タコメーターは円表示ですがやはりデジタルでメモリが上下するというもの。ちょっと近未来。そのレトロとフューチャーの絶妙な感じに、やられちゃいました。

ミニバンと考えず、今までになかった、他のどの車にも似ていない車なのだと思うと、私のような独身者や、アンチミニバン派の食指が動いてもおかしくない一台です。こんな、ある意味不思議な車なんてそうそうありません。

乗り心地やインテリア以外の魅力も、次ページで見ていきましょう。
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