2×4構造模型図。木が支えていることがよく分かる(写真協力:三井ホーム)
- 壁パネルで組み立てる2×4工法は断熱・気密・耐震などの基本性能が高く、小さな工務店が手がける在来軸組住宅に比べると優遇金利がよりとりやすい面があること。
- リーマンションック以降の市場悪化により地方工務店が廃業し、在来工法で建てていたユーザーが2×4に流れてきた
- 人口の都市流入化と住宅購入層の若年化。もともと輸入住宅として日本に導入されたデザイン性、基本性能の高さから、若年ユーザーを中心に認知度と支持が広まっている。
- ここ1年ほどで2×4を手がけるパワービルダーが復活しており、土地も現在手ごろのため、販売用不動産の整理が進み、手ごろな2×4が増えてきた。特に注文も建売も手がける事業者は、在来工法も2×4工法も両方手がけるところが増えてきている。
こうして見ると、2×4パネルで組み立てられていることが分かる(写真協力:三井ホーム)
「3」のユーザー支持を受けて、これまで建売分譲やビル建設などをやっていたビルダー・事業者が進出。資材価格面からも利益が出やすく、手ごろな価格で提供が可能なことや、在来工法の熟練工の減少を受け、貸家・建売を中心に工法の合理化が進んでおり、新規事業者でも進出しやすくなったことが挙げられます。
特に、「3」と「4」は相関の関係で、「住宅購入層の若年化→しかし土地は持ってない→土地購入絡みで建売・売り建て住宅を買う→若年層に人気のデザインで職人技もさほど必要としない・職人を確保しやすい2×4→従来は土地建物仲介をメインにしていた不動産業者がシステム化しやすい2×4で建売・売建を売る」という流れが一つにはあるようです。
「若年層向け2×4系ビルダー」といえば、「無印良品の家」もそのひとつ。“真っ白なハコ”というイメージで市場も戸惑ったのでしょうか、最初はあまり広がらなかったものの、最近は「無印」ブランドとともに受注も増えているとか。非常にプロダクト化・効率化・ユニット化された規格住宅が、プロダクト製品に抵抗のない若年層が時代とともにうまくはまったのかもしれません。
次ページでは同様に、地方で伸びているある2×4ビルダーを紹介します。